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雑誌目次

雑誌文献

病院30巻4号

1971年04月発行

雑誌目次

特集 職場リーダー

現代職場リーダーの諸要件

著者: 小林正夫

ページ範囲:P.23 - P.28

 病院の管理について私は全く未経験・不案内である.したがってこの稿がはたして皆さんのご期待に沿えるかどうかわからないが,産業界ではこの問題をどう扱っているかを紹介して,ご参考に供することといたしたい.

病院における職場リーダーの役割

著者: 中畠健

ページ範囲:P.29 - P.34

家庭における妻の座に似ている
 県立吉田病院は,昭和30年10月に開院した.吉田町は日本一の穀倉である越後平野のなかの純農村に囲まれた人口1万7000の小さな町で,病院も開院当時はわずか98床のこれもまた小さな病院であった.
 その頃の60人くらいの少ない職員とは,あらゆる機会に接触することができ,管理者の意図することも十分すみずみまで知らせることができた.病院のなかのことや,職員の行動,性格,家庭の事情などまで公私にわたって知りつくすことが,職員一同一体感をもってそれこそ和気藹々(わきあいあい)として楽しく働けたものであった.幸いにその努力が実って,今までに2回の増築を行ない,229床の病院となり,付属高等看護学院(進学コース)も併設され,一応地区医療センターとまで育ち,今年から一般病床300床の,心・脳血管障害治療を中心とした新病院の改築へとこぎつけたのである.

座談会

職場リーダーの管理活動

著者: 林太 ,   斎藤和徳 ,   阿部瑤笑 ,   鈴木昶夫 ,   川田国雄 ,   渡辺節子 ,   内藤均

ページ範囲:P.36 - P.47

経営者・管理者を上にいだき,現場で働く人たちを直接に指揮し,各分担のもとで最終成果を実現する人--職場リーダー.
今回は,日本病院協会の監督者研修会を修了された各部門の職場リーダーにお集まりいただき,研修内容なども参考のうえ,日ごろの管理活動を話しあっていただくと……

講評

座談会‘職場リーダーの管理活動’を聞いて

著者: 落合勝一郎

ページ範囲:P.46 - P.47

 企業のなかで職員を訓練するとか教育するといった考え方の必要が徐々に理解されてきた過程をふり返ってみると,企業内教育とか訓練という考え方を開発したアメリカでは,その初期においては経営管理理論の一環として展開している.すなわち,Taylorおよびその弟子たちによって提唱された科学的管理法(1911,科学的管理法の理論)がその出発点となる.次にFayolの分業指揮の統一理論を経てHawthorn Study (1933)の人間関係理論に発展する.
 その後20年間はKurt Lewisのgroup dynamics理論やMcGregorのX,Y理論に広がり,1950年以後の技術革新時代にはいって,労働に対する新しい考え方や,労働組織の新機軸傾向に平行して,企業ぐるみの幅広い層に対する教育訓練に拡大し,訓練方式も系統的に整備されている.

病院と統計

管理のための統計(2)

著者: 一条勝夫

ページ範囲:P.10 - P.11

入院患者
 ‘病院において診断治療を受ける者で,入院の承認を終わった者’である.診断治療の対象となる者という意味は,必ずしも病人ばかりとはかぎらない.正常分娩の産婦も,人間ドックの入院者も含めることになる.入院の承認を終えていることも条件のひとつである.入院待機中の者,申し込みを受け付けただけの者は含まない.また,即日退院の患者も入院患者として承認がすんでおれば入院患者に含める.
病床
 ‘病院内で医師または歯科医師および看護婦の継続的サービスを受けるため,入院患者が古有すべき病床’である.隔離のためとか,観察のために収容する病床は含まれる.しかし陣痛室・術後回復室・救急室および外来部門にある病床などは,患者の一時的な用に供するためであるので,病床には数えない.その意味は,救急室の病床は入院手続きまえの一時的収容であり,術後回復室の場合は,患者が占有すべき病床を別にもっているからである.

グラフ

新しくなった中央鉄道病院にみる建築上のディテール

著者: 井祐弘

ページ範囲:P.13 - P.17

あわただしく行きかう白衣の看護婦さん,廊下にあふれんばかりに順番を待つ患者,薬の臭いがプーンと鼻をつく……これが病院という建物の印象であった.
今回,中央鉄道病院の設計を担当するにあたり,従来のイメージを破り,①病院臭と病院独特の騒音のない病院を設計したい,②人や物の動きを,機械化し,省力化をはかると同時に,院内を整然としたい,③人間味のある,あたたかいムードの病院作りをしたい.つまり,一口に言えば,病院らしくない病院を設計してみたいということが,かねてよりの念願であった.今,第1期の工事が完成し,外来診療棟と中央診療棟では,日夜,診療活動が続けられている.

国立病院長の横顔—国立病院長会議のプロフィールより

著者: 春日斉

ページ範囲:P.18 - P.18

 95人の全国国立病院の院長さんたち.3万2000床の病床,700億円の予算を擁し,2200人の医師,1万人の看護婦を中心とする2万人の職員によって構成される,わが国最大の病院群の頂点に立つ方がたである.
 どなたの横顔にも悩める現代の医療の矛盾,国立なるがゆえの苦しみが深く刻みこまれていて,行政の立場からお世話する者にとっては,まことに申し訳ない気がする.

病院の広場

包括医療を目ざして

著者: 佐藤智

ページ範囲:P.21 - P.21

 東京の都心から,車で1時間西北へ行った狭山丘陵の一角,1万余坪の中に白十字会村山サナトリウムが創立されたのは,昭和17年である.野村実前院長は,昭和26年からその責任をもち,患者を全人間としてとらえようと努力され,他に先がけて作業療法,メディカルケースワーカーをおき,患者環境を整備した.そして,ともすると病気をみて病人をみない治療のなかで,医療の本質を追求し,医療は非収益事業であるという立場に立ってこられた.そのために経営は苦しくなり,諸般の事情もあって昨年9月に辞任された.
 私は,‘病院は非収益事業であり,本来消防署のようにコミュニティ(地域社会というだけでなく,更に広い共同意識社会)に支えられるべきである,という考えを野村前院長などから,長年にわたって教えられてきたので,従来の人間中心医療に加えて,このコミュニティに支えられた医療を具現できるならば,と考え,困難を承知でお引受けした.

病院図書館

—水野肇 著—「人間にとって医学とは何か」

著者: 砂原茂一

ページ範囲:P.35 - P.35

医学と医療に対する市民的批判の書
 医学ジャーナリストという一群の人たちがいる.医師のうち‘筆の立つ人’が本業を兼ねて,あるいは多くの場合本業を捨てて評論家になっている場合と,もともとはしろうと—ー多くは本来ジャーナリストであるところの人のうち医学領域に特別な関心をもち,ある意味での専門知識を蓄積した人の場合とがある.
 著者はいうまでもなく後者のカテゴリーに属する人であるが,はじめ地方新聞によって,きわめて鮮烈な‘ガン’についてのキャンペーンを行なって,日本の医学的ジャーナリズムに,ひとつの時代を画した人である.長い年期がはいっているうえ,たいへんな勉強家で,医学ジャーナリストとしてカバーしている領域もなかなか広い.おそらくは医学と社会との間に立っての医学知識の解説的媒介者であるにとどまらないで,医学と医療についての自分自身の考えをハッキリ打ちたてている人である.

精神医療と精神病院・4

精神衛生センターと入院診療—東京都立精神衛生センター・神奈川県立精神衛生センター

著者: 菅又淳 ,   石原幸夫

ページ範囲:P.48 - P.52

東京都立精神衛生センターの場合
精神衛生センターの本来の役割
 ‘精神衛生センターと入院診療’というテーマを与えられたが,この標題はある意味で奇妙である.というのは‘精神衛生センター’と‘入院診療’とは原理的には相反する概念であるからである.
 精神衛生センターの最大の目標は,地域精神衛生の実施である.そして地域精神衛生とは精神障害者の医療に関していえば,入院外の医療を目標とし,それを推進しようとするものである.つまり入院診療とは対照的ないき方をするのが,精神衛生センターの精神医療に関する目標なのである.しかし誤解してはならないのは,精神病院のいき方に反対し,対立する勢力として,敵対して業務を行なっているというわけでは決してない.精神病院との協力は絶対に必要であり,入院診療を拒否するわけでもない.入院診療と密接な協同があってはじめて,地域精神医療が実践できるのである.

おなかを開く話・2

抜糸をするまで

著者: 今村栄一

ページ範囲:P.57 - P.62

背中の痛み
 朝,睡眠剤2錠を飲んでから,そのあとで何が起こったのか,わが頭脳は全く空白であった.はたして私というものが存在していたのだろうか.
 目が覚めたとき,‘おなかの中はたいしたことはありませんでしたよ’と言われたが,‘はじめから,そういうことになっていたのだ’と,他人ごとのようにぼんやりと考えていた.自分で手術を見ていたのでないから,手術に対する切実感がわいてこないわけである.

アメリカの病院学会

第72回アメリカ病院協会年次総会

著者: 紀伊国献三

ページ範囲:P.63 - P.67

 ○○先生,まもなくコロンビアに来て数か月になります.まったく時間のたつのが早いのには,驚かされます.先日,アメリカ病院協会の年次総会に出席しましたので,その模様をお知らせしましょう.

管理者訪問・37

財団法人周行会佐藤病院長 佐藤俊樹先生

著者: 車田松三郎

ページ範囲:P.69 - P.69

 仙台市の中心部,宮城県庁や市役所などのやや北方国道4号線から東北大学医学部付属病院に向かう三差路に面して,地上5階地下1階の近代的鉄筋コンクリートの建物がある,これが佐藤病院である.
 佐藤俊樹先生は東北大学医学部をへて昭和20年4月に海軍衛生学校に見習医官として入校・終戦後,同年9月卒業とともに母校の黒川内科に入局し,内科学を専攻,のち同大学の講師となる.27年4月同大学を退職し,佐藤病院の院長に就任された.このときから病院管理者としての苦難の道を歩みはじめ,現在にいたる.当初はひたすら患者のためにと思う一途の気持で,病院の運営にあたられたという.現在でも家庭医として地域住民に親しまれる病院にしたいという念願は変わっていない.

ミズーラだより・4

ミズーラの人々の生活ぶり

著者: 紀伊国献三

ページ範囲:P.70 - P.71

 こちらの公害は 桜は今年はどうだったでしょう.公害でそれどころじゃないのでしょうか.こちらも環境保全ということで,HEW (厚生省)から独立して単独の組織をつくって論議をしていますが,ここミズーラ,コロンビアでは公害といっても,どうもピンときません.なにせ1970年の国勢調査で5万6000人の人口ですが,産業といえば,ほとんどが第3次のサービス業ばかり,その対象が学生の大学の街ですから,公害源といえば,大学と市の火力発電所くらいなものです.
 空気は確かにきれいなようで,家族ともども風邪をひく機会が少なくなりました.公害で問題となるのは,コカコーラなどの清涼飲料のびんを使い捨てでなく,再使用して行こうとか,ビールなどのアルミの罐を別にわけて再生しようとか,廃棄物の問題が多いようです.

麻酔科医日誌・4

麻酔科医外来にも進出—Pain Clinic

著者: 山下九三夫

ページ範囲:P.72 - P.73

 これまでの疼痛研究 最近麻酔科外来Pain Clinicがほうぼうでうわさされるようになってきた.元来疼痛を研究することは,それが客観性に乏しいためと,実験,ことに人体において実証することがきわめてむずかしいため,内科においても整形外科においても,ないがしろにされ,外来で骨に異常がないときは,老化現象の現われとか,ひどいときはヒステリーであるなどといわれて,疼痛を主訴とする患者は,どこでもあまり相手にされていなかった.
 魔女の鞭 私自身,腰痛症で3回入院した経験がある.

新管理技術講座・4

自己申告制度

著者:

ページ範囲:P.74 - P.75

 組織と人間 組織体は作られたものであるが,一度作られてしまうと,今度は作るものへの自己転換を行なう.そして,組織体を作った人間は組織体に組みこまれて,逆に組織体が自ら備えるに至った運動法則によって支配されることになる.その運命は,トップマネジメントといえどもまぬがれえない.まして,組織各部の構成単位である各職員は,全体機構に強く束縛された従属的な存在となる.
 そうしたあり方が,人間の最も基本的なニードである自我的ニードないしは自己実現のニードとぶつからないはずはない.そこに,人間疎外の現象が生まれ,その克服と人間性の回復が大きく要望されるようになる.組織体が大きな活力をたたえて,その機能を十分に発揮するためには,そこに,そうした要望を満たすのに必要なしくみ,つまり,職員の主体性を組織運営の上に十分に維持しかつ活かすようなしくみを備えていなければならない.そのための1つの制度が自己申告制度である.

病院の職員教育 駿河台日本大学病院職員教育資料より・16

仕事のしかた—(前号つづき)

著者: 田中栄一

ページ範囲:P.76 - P.76

5.能率化の手段(3S)
 仕事を能率的に行なってゆくためには,次の3つの基木的手段がある.これを能率化の3Sという.
1) Standardization (標準化)——同じ仕事を1人ひとりが別なやり方で行なったのではそこにムリやムダな面ができてくる,そこで仕事の正しいやり方をあらかじめ決めておき,だれにでもわかる手引書を作り,一定のルールに従って仕事ができるようにしておかなければならない.このようにしておくことを標準化という.

病院建築・28

愛知県心身障害者コロニー中央病院の使命と機能

著者: 村地俊一 ,   小川修平 ,   浦良一

ページ範囲:P.79 - P.85

病院の側から
はじめに
 人間が人間としてこの世に生をうけたとき,その個人の生命,個人の発育は一様に尊重され,完全に保障されなければならない.しかし人間の身体的・精神的機能レベルはきわめて多種多様であり,そのなかには大多数の平均的人間に比して,生物学的,医学的,ひいては社会的に明白なハンディキャップを背負っている人たちが存在する.
 こうしたハンディキャップのなかでも,特に障害の重篤な重症心身障害児といわれる子どもたちや精神薄弱児(者)や,その他心身に各種の障害をもって生まれてきた人びとが,人間としての生活を,それぞれの生長に応じて発達的に営むことができるように,系統的・機能的に一貫した福祉対策を実施しようとの目的をもって,わが愛知県心身障害者コロニーは,5か年の歳月と,約48億の巨費を投じて建設されつつある.現在なおこの事業は進行中であり,研究所をはじめ,2,3の施設がまだ完成されていない状況である.

招待席

川崎医科大学の医者づくり

著者: 川崎祐宣 ,   水野肇

ページ範囲:P.86 - P.93

戦後長い間見送られてきた‘医大の新設’が解禁になった.昨年4月に開校した秋田大学医学部を皮切りに,川崎医科大学・北里大里大学医学部・杏林大学医学部の私立3校が認可された.ことしもまた東洋医科大学・帝京大学医学部が認可された.しかし,俗に,医大をつくるには100億円かかるといわれている.したがって入学金も1000万円,2000万円というのが相場だといううわさがある.それでも志願者はドーッと押し寄せる.そこで,川崎医科大学の理事長の川崎祐宣氏に,医者づくりのほんとうの気持ちを聞いてみることにした.(聞き手は岡山出身の医事評論家・水野肇氏)

国保医学会第10回学術総会パネルディスカッション

国民健康保険直営診療施設(直診)の将来像(1)

著者: 諸橋芳夫 ,   久保俊郎 ,   繩田皆夫 ,   吉沢国雄 ,   田中富也 ,   一条勝夫

ページ範囲:P.94 - P.102

 主として辺地にあって,日本の医療の第一線に位置し,国民の健康を守ってきた国保の直営診療施設が,高度経済成長政策の波をまともにかぶり,次々と姿を消しつつあるという.昨年10月,国保医学会パネルディスカッション‘直診の将来像’では,国民の健康をいかに守り続けるか,関係者の真摯な討論が行なわれた.2回にわたりその全容を紹介する.

研究と報告【投稿】

病院医師に関する研究—3.医師になった動機

著者: 車田松三郎

ページ範囲:P.103 - P.106

はじめに
 だれでも職業を選択する場合になんらかの動機というものがある.医師の場合もこの点については例外ではないはずである.
 そこで,今回は,医師が自分でどうして医師になったのか,その動機について統計的に調べたので,その結果を集計し分析することにした.全国調査では今回がはじめてであり,地域的には,尾高邦雄・鈴木達三氏1)らの東京地区を対象とした調査(昭和31年)や,北海道医師会調査弘報部・病院部会部で北海道勤務の医師を対象とした調査2)(昭和43年6月)がある.もちろんこれらの調査は,このテーマを単独に調査したものではない.他の調査とのなかで1項目としてなされたものである.それぞれ長短があって,今回の調査と比較する資料としては不備なところもあるが,参考に供したい.さらに自分の子どもに対する希望として,医師は,自分の職業を継がせたいという傾向が従来はかなり強く反映していたように思われるが,最近はどんな傾向がみられるのだろうか.このような関係についても観察することにしよう.

慣習作業の再点検による節約(ZD)運動

著者: 近藤英二

ページ範囲:P.107 - P.109

 本院のZD運動の推進の一環として,給食部門においては,毎日行なわれている作業からまず取り上げることとし,その手始めとして,炊飯を取り上げてみた.
 今まで行なわれていた炊飯は,10年1日のごとく,それ以上18年間,人は変わったが,前任者から引き継いだとおりの方法で,ずっと行なわれていた.

精神科におけるテレビ受像装置の使用

著者: 吉田登 ,   岩瀬清子

ページ範囲:P.111 - P.113

はじめに
 最近,病院・診療所において,重症患者を観察するためにテレビ受像装置が用いられているが,精神科においても,保護室に収容した患者の状態を観察するのにテレビが利用されるようになった.
 しかしながら,保護室を映し出す受像テレビを看護婦詰所に設置することによって,看護者の手数を省き,看護者が少なくてすむと誤解されやすいためか,‘定められた時間にスイッチを入れなければ無用の長物であり,治療上むしろマイナスとなることのほうが大である’などの批判が少なくないようである.

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読者より

著者: K.K.

ページ範囲:P.110 - P.110

1月号特集について
 年頭の特集‘基準看護を点検する’は,名まえ負けの感じです.羊頭狗肉とはこのことでしょうか.
1)今の基準看護でいったい何をやろうとしているのか.2)実際には医師の指示を片づけているのだけならば,看護婦の免許・教育・養成訓練・経験などは必要なのか.3)そしてもし本質的看護があれば,それが医療の質をどのように変化させうるのか.4)4人に1人の看護婦と6人に1人の看護婦では料金に差がつけられるのはなぜなのか,質に差があるだろうという推測だけでいいのだろうか.

霞ガ関だより

救急病院・診療所における交通事故による傷病者の取り扱い状況

著者:

ページ範囲:P.114 - P.115

 救急病院等を定める省令(昭和39年2月20日厚生省令第8号)に基づき,都道府県知事により告示されている救急病院・救急診療所において,交通事故による傷病者の取り扱い状況の実態をうかがうため,当該告示施設,都道府県の協力を得て,昭和43年から‘はがき’による調査を実施しており,昭和45年3月11日(水)に実施した1日断面調査の結果を通して救急医療の実態を以下に紹介する.
 なお,この調査で対象となった救急病院・救急診療所数は4370か所であり,このうち病院で80.5%,診療所で70.5%の回答率であった.したがって,これらの数字から救急告示施設全体を推定することは不可能であるが,回答施設3347,取り扱い患者約5万2000人について,いくつかの観点から解析が加えられる.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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