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おなかを開く話・2
抜糸をするまで
著者: 今村栄一1
所属機関: 1国立東京第一病院小児科
ページ範囲:P.57 - P.62
文献購入ページに移動朝,睡眠剤2錠を飲んでから,そのあとで何が起こったのか,わが頭脳は全く空白であった.はたして私というものが存在していたのだろうか.
目が覚めたとき,‘おなかの中はたいしたことはありませんでしたよ’と言われたが,‘はじめから,そういうことになっていたのだ’と,他人ごとのようにぼんやりと考えていた.自分で手術を見ていたのでないから,手術に対する切実感がわいてこないわけである.
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