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文献詳細

雑誌文献

病院30巻5号

1971年05月発行

文献概要

精神医療と精神病院・5

精神病院の外来診療—東京都立松沢病院・松江精神病院・小坂診療所

著者: 金子嗣郎1 渡辺宏2 小坂英世3

所属機関: 1都立松沢病院 2松江精神病院 3小坂診療所

ページ範囲:P.59 - P.67

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精神病院の外来診療・1
東京都立松沢病院の場合
入院か外来か
 精神医療の体系の変化が言われている.その根源にあるのはクロールプロマジンをはじめとする向精神薬の治療への導入によって,いわゆる生活療法が行なわれるようになり,精神病,とくに精神分裂病の治療に明るい見通しを持つ精神科医が多くなってきたし,現に長期入院患者のうちからも退院者が出てきたことなどの事実もあるが,理論的に考えて精神分裂病を中心とした精神疾患という慢性疾患を‘どうやって’‘どこで’‘だれが’治療するかという反省もある.
 医療における入院中心主義に対する反省が出始めて,すでに10年以上にもなろうか.この反省の出発点となったのは,入院中心では医療費がかかりすぎることと,一貫性のある医療は入院中心主義では行なわれえず,むしろ地域中心の医療で行ないうるのではないかということであり,急性疾患は入院中心主義で,慢性疾患は地域中心主義で,という方針が出てきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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