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雑誌目次

雑誌文献

病院30巻8号

1971年08月発行

雑誌目次

特集 病院内の防犯

病院における防犯上のウィークポイント

著者: 石原信吾

ページ範囲:P.23 - P.26

まえがき
 病人から物をかすめる.道義の退廃ここにきわまるといえる.しかし,いかに嘆いたところで,それが事実として存在するならしかたがない.しかも,病院はそのあり方からして,本来,盗難にはきわめて弱い体質をもっている.そのために,‘病院専門の泥棒’すら存在するという.そうなると,その本来の弱点を補い,また,専門的働きに刻処しなければならないわけで,事柄のむずかしさがいっそう痛感される.
 病院に発生する犯罪は,単に盗難だけではない.最近は,各病院で痴漢が出没するという話をよく聞く.性風俗頽廃の反映であろうか.また,先日精神病院で患者が職員を殺したという事件が新聞に載っていた.つまり,殺人犯罪であるが,それはおそらく偶発的のもので,防犯という一般的問題のテーマとなるものではなかろう.

犯罪の手口と防犯上のくふう—院内防犯日誌より

著者: 内藤均

ページ範囲:P.27 - P.33

○月○日(土曜日)
 午後3時ごろ,隣接しているS県N警察署の松沢・太部の2刑事が来院した.用件は2か月前の盗難事件に関する裏付け捜査である.持参した略図は正確をきわめていたので,‘この図面は’と質’問した.刑事は‘これですか,これは犯人が書いたものです.この犯人は4回もこの病院にはいったのですが,仕事は2回だけでした.仕事をしなかった1回は廊下で看護婦さんに"どちらに行かれますか"と尋ねられたので,出ばなをくじかれ,そのまま帰ったそうです’.
 犯人は建物内部のことだけではなく,先生の回診時間までよく知っているとのことだ.更に犯人の供述を聞いてみると,

盗難などの事故に対する病院側の法的責任

著者: 大政満

ページ範囲:P.34 - P.38

 1.病院や診療所には通常,毎日多くの患者が訪れて医師の診療を受けたり,入院して診療を受けたりしており,更に入院患者を見舞いに来る大ぜいの人たちがいる.このように病院では1日中多くの人たちが出入りしているので,ある程度デパートなどのように開放的な零囲気になりがちな面があり,その結果スリとか置き引きなどのように不法の目的で病院へはいってくる者を完全に防ぐことは非常に困難なことである.
 このことは,具体的に発生した後記の盗難例をみていただければ明らかであろう.

病院荒しの被害傾向とその防犯対策

著者: 青木徳雄

ページ範囲:P.39 - P.43

病院荒しがふえている
 警察では,病院の施設や敷地内で発生した盗犯事件を,‘病院荒し’というひとつの項目を設けていろいろな統計をとっている.つまり,こうした統計項目が設けられているということは,それだけ病院内での泥棒の被害が多いことを物語っているといえよう.
 ところで,最近の病院荒しの被害傾向はどうだろうか.試みに,過去5年間に都内の病院で発生した侵入盗犯(注)だけについてみると,図1のように,昭和41年から44年まではだいたい500件から600件台を上下しているにすぎなかった.ところが,昭和45年度はこれが一挙に769件と前年より250件(48%)も多い異常な増加を示している.

病院と統計

収入統計の分析

著者: 一条勝夫

ページ範囲:P.10 - P.11

外来収入と入院収入
 病院収入のうち主なものはもちろん,入院患者収入(入院収入および室料差額収入)と外来患者収入である。入院患者収入と外来患者収入との比率は,病院種別で違うのは当然のことである.一般病院の場合,(1)病床数が多い病院ほど入院患者収入が大きな割合となり,小規模病院ほど外来患者収入割合が大きくなる.(2)市街地病院ほど外来患者収入は多くなる.(3)私的病院ほど外来患者収入が多い.また,(4)外来患者数(収入)の比率の高い病院ほど病床利用率が高く,この比率の低い病院ほど病床利用率が低いか,平均在院日数が長い傾向がある.
 したがって立地条件・経営規模・診療科目など,諸種の組み合わせにおいて判定すべきものであるが,一般的には次のようにいえる.

グラフ

保健活動の総合化—愛知県総合保健センター

ページ範囲:P.13 - P.17

 医療は治療から予防そして公衆衛生活動へと展開する.わが国では組織だった公衆衛生活動はまだわずかである.愛知県は総合保健センターを設立し,この新しい分野へ新しい活動を始めた.
 同センターは成人病診断部門(人間ドック)を主体としているが,視力診断部門と聴力音声言語診断部門を設け,精密検査と機能訓練を行ない,精神衛生センター部門を設けて精神衛生対策の充実を図っている.さらに近年社会的問題となってきた腎不全対策として腎透析部門を設け,患者の社会復帰に光明を与えている.

病院の駐車場

ページ範囲:P.78 - P.81

駐車場の管理という新しい仕事
 最近の自動車ブームは,従来考えられなかったほどのスペースを病院で用意しなければならなくなった.
 特に患者や職員の車が急激に増加しはじめた昨今,駐車場の管理という新しい仕事もふえてしまった.従来の病院では,玄関先の空地や裏口付近の道路あるいは空地を適当に利用させることですんでいたものが,最近のように通院患者の2,3割が自家用車やタクシーで来院したり,従業員の自家用車勤組がふえだした現在,病院の駐車場は,病院のもつ1つの設備あるいは施設として不可欠のものとなってきている.

済生会中央病院長のバトンタッチ 小山武夫先生 堀内光先生

著者: 堀内光

ページ範囲:P.18 - P.18

 つい最近まで大正時代の病院のロケに使われたという老朽病院が,この病院の50周年記念事業として増改築され,近代的な姿に生まれ変わった.この事業は小山先生の長年にわたる熟慮と綿密なる計画によって完成されたものであり,先生がわれわれ後継者に残して下さった大事業である.終戦の廃墟から立ち上がり,何度か危機にさらされながら今日の姿を現出することができたのは大院長小山先生の強固なる意志と高い理想の賜物といえる.
 病院の機能は多彩であると同時に高い精度が要求される.しかも将来の社会的な環境条件を予測しつつ絶えざる機能の整備,訓練に努力しなければならない.しかしこれらはいずれも手段であって,病院が医療を行なう場である以上,医の倫理の実践場でなければならない,大院長かちチンピラ院長にバトンタッチされた現在,この理想の実現に衆力の結集を希うや切である.

病院の広場

病院の使命

著者: 吉植庄平

ページ範囲:P.21 - P.21

 病院の運営といっても,いろいろな形態,組織のものがあるが,医師としての立場のあるわれわれとしては,おのずから限界が存在する.
 私の奉職する市立の病院は,全国自治体組織の一役をつとめるのであって,‘医療を求められている’という点では,きわめて重要な役割を果たしている.

ボランテイア

アメリカ・シャーマン病院のボランティア活動—Mrs.Thies (ボランティアサービス部主任)に聞く

著者: 落合勝一郎

ページ範囲:P.44 - P.45

 シカゴの郊外50kmの地点に人口5万のエルジンという静かな町があります.かつてはエルジン時計の生産地として世界的に有名だったのですが,時計工場は南部に移って今は静かな住宅街と自然の美しさがもどっています.
 このエルジンの町にシャーマンホスピタルがあります.この病院のボランティア活動は病院活動によくとけこんで,なかなか活発な働きをしております.また,ボランティアの生成発展の歴史も古く,われわれにとって参考になる点が多々あります.

精神医療と精神病院・8

精神病院の事故

著者: 岩佐金次郎

ページ範囲:P.47 - P.51

自殺
‘惨狂製薬株式会社製造.電話459-84-5151(地獄に早よ来い来い)・ハラキリ糖衣錠.成分—凄惨刈,適応症—失恋,特に,常習失恋.用法—1回死錠宛.1日苦回服用.あるいは,1回重苦錠を発病時,あるいは,絶望時に頓用.詳細は怪説書参照’
 ビタミン剤のびんのレッテルは,こうした文旬に書き改められ,机の上にころがっていて,なかには,飴がはいっていた,という.彼女の自殺が発見されたときの,いちばん身近にあった品物であった.

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読者の声

著者:

ページ範囲:P.52 - P.52

 6月号のボランティア活動は時機をえた特集という感じです.巻頭の病院の広場の三浦氏は犠牲と奉仕の精神をくみ上げることを強調し,小林玄一氏はアメリカの実情について詳しい解説を加えられて,いずれも参考となる点の多いものでした.欲をいわせていただくと,医療における利用者のかかわりあいとでもいいましょうか,‘消費者の’参加とのつながりについて,触れられていないのは残念でした.
 落合氏と広瀬氏の対談は,資料をうまく構成して読みやすい努力はたいへん結構でした.しかしそれをこれから伸ばしていくには,どういう戦術が必要なのか.33ページの広瀬さんの病院協会へのお願いに対して,どういう方法が適当なのか.34ページ以下のリストにも国立の機関がはいっていないあたりにもヒントがあるような気がしました.

招待席

医療提供システムの新しい考え方

著者: 紀伊国献三 ,   江間時彦

ページ範囲:P.54 - P.63

本誌の編集委員としてもおなじみの紀伊国氏は,昨年の8月より1年間にわたり,アメリカ・ミズーリ大学の訪問教授として赴任され,医療管理学を教えられるとともに,ミズーリ地域医療計画の業務副部長として活躍された.そこで,帰国したばかりの氏に,揺れ動く最近のアメリカの医療界と,そこに打ち出された大胆な数々の政策についてご専門をふまえた上で話していただくとともに,いまの日本で学ばなければならない点をともに考えてみたいと思う.(江間)

病院建築・32

愛知県総合保健センターの設計

著者: 田口裕一

ページ範囲:P.65 - P.68

計画の概要
 愛知県総合保健センターは同保健センター,日本赤十字社愛知県支部および愛知県赤十字血夜センター,愛知県職員病院の部門よりできている.保健センターは自動人間ドッグ(AML)を中心として精密検査部門,入院人間ドッグ,および精神衛生センターで構成されている.自動人間ドッグは16の専門検査室より自動的に打ち出されるデータがEDPSにより自動診断されるものであり,この結果精密検査を要する人は精密検査部門で検査されるようになっている.またAMLを通った人だけではなく,一般受診者および医療機関からの委託検査も行なえる.
 日赤部は愛知県本部と血液センターで構成されていて,血液センターの採血部門が1階に配置されている.

管理者訪問・41

財団法人宮城厚生協会 坂病院長 高橋実先生

著者: 車田松三郎

ページ範囲:P.69 - P.69

 坂病院は,漁港都市塩釜に所在し,やがて市制をしかれる多賀城町に隣接している.高橋実先生は,当院の院長としてはもちろんのこと,民医連の会長として幅広い活動をしておられる.
 先生は,昭和7年に東北帝国大学医学部に入学,熊谷岱蔵教授(元東北大学長)のもとに内科学を専攻され,13年に卒業後,岩手県の志和村診療所(岩手県医薬購買販売利用組合)に医師として就任された.昭和16年に東北大学医化学教室からの要請もあり,井上嘉都治教授のもとに助手として研究に従事することになり,後に講師となる.

ミズーラだより・8

全国民健康保険制度(National Health Insurance)

著者: 紀伊国献三

ページ範囲:P.70 - P.71

 報道された保険医総辞退 わが国の保険医総辞退の問題も,ニョーヨークタイムズで医師のストライキと報じられましたが,なかなか原因が,海を離れた人には,どこにあるかは理解されにくいようです.といって日本でもこのストライキの背景については明確な解析は困難なことでしょう.先年ベルギーの医師のストライキが報じられた後,ルーバン人学の医療管理の教授をたずねた時,医師出身のこの教授は,社会的にも高所得者層であるベルギーの医師がなぜストライキをするのかとの私の質問に,高所得者ほど,より高い所得を求めるからさと答えたのを,ちょっと思い出させられました.
 大きな政争点NHI さて先進国のなかで健保制度をもたない数少ない国として,わが国では参考にまったくならないとされているアメリカの現在の大きなトピックは,全国民健康保険(National Health Insurance)で,大げさにいえば,その論議のない日はないといった感じです.

麻酔科医日誌・8

麻酔科と吸入療法

著者: 山下九三夫

ページ範囲:P.72 - P.73

 麻酔科医は吸入療法も始める 麻酔科医が最近手術棟外で活躍している部門に疼痛外来pain clinic, ICUがあるが,そのほか最近注目されているのは吸入療法insufflation therapyである.この対象となる患者は,多くは反復するがんこな咳嗽発作と種々な呼吸困難を伴っている‘喘息’として取り扱われた慢性気管支炎のものが大部分を占めている.なぜこのような部門に進出していったかというと,麻酔中や麻酔後に用いる人工呼吸器を噴霧療法nebulizationに応用しはじめたのに始まる.元来気管の中にチューブを入れて,ここに乾いた麻酔ガスや酸素を送ることは,換気上は効率はよいが,気道への生理的影響は問題とするところが多い.すなわち気道の線毛上皮の運動は25℃以下では止まってしまうし,そこに元来100%の温度をもっている気道が乾くと,排出されるべき喀痰や分泌物が固まってきて排除されにくくなる,これが全身麻酔後に喀痰排出困難が多い主因である.
 この治療には術後に噴霧を行なうか,麻酔終了直後に温生食水で気管内洗浄bronchial toilletteをする方法がある.噴霧を行なうには外来では安楽椅子に背をもたれさせた楽な姿勢で行ない,人工呼吸器で噴霧薬液の吸入を行なう.噴霧粒子の大きさは1-4ミクロンが気道内部に十分はいるので,これにはたとえばバード人工呼吸器のように噴射式のものもあれば,超音波ネブライザーのごときものもある.

新管理技術講座・8

PERT/COSTおよびCPM

著者:

ページ範囲:P.74 - P.75

 PERT/MAN-POWER 前回のPERT/TIME手法が開発されてから約4年後の1962年6,月に,アメリカ国防省と宇宙開発局(NASA)は,時間以外の人・物・金などの生産諸資源についてもネットワークで管理する方式を考案し発表した.PERT/COSTとはそのガイドブックにつけられた名称である.中でも,1つのプロジェクトを推進する場合,人という要素が大きな重要性をもつことはいうまでもない.そうした人的要素の効果的運用を目的としたネットワーク手法を,特に,PERT/MAN-POWERと呼ぶことがある.
 図1のネットワークには,時間のほかに,それぞれの作業(アクティビティ)に必要な人員数が記入してある.各イベントの外の数字は,最早結合点時刻(日)と最遅結合点時刻(日)で,四角い枠で囲んであるのが最遅結合点時刻である.たとえば,イベント④のところの枠内の11という数字は,イベント⑤で16日に全工程が完了するためには最も遅くても11日には4→5の作業を開始する必要があることを示し,10という数字は,イベント③からはいってくる3→4の作業が終わる10日にはイベント④から出て行く4→5の作業を開始することができることを意味している.

病院の職員教育 駿河台日本大学病院職員教育資料より・20

診療時間内の防災組織(昭和46年8月1日)

ページ範囲:P.76 - P.76

今月のニュース

北里大学病院オープン,他

ページ範囲:P.82 - P.83

 昭和37年,北里柴三郎翁の‘生命の科学を追求する’との意を受けて,北里大学が衛生学部をもって発足した.その後,薬学部,畜産学部,医学部と増設されたが,ついに本年7月26日,北里大学病院が1051床を有する大病院として,神奈川県相模原の地に華々しく開院された.
 大学病院としての性格上,医学生に対する臨床教育の場であるとともに,市民の健康で幸福な生活に直結する患者中心の病院でもありたいと願う北里大スタッフは,数々の斬新な試みを具体化している.

第20回日本病院学会シンポジウム

看護の本義

著者: 神崎三益 ,   大渡順二 ,   長門谷洋治 ,   国分アイ ,   森日出男 ,   山田里津

ページ範囲:P.85 - P.93

ことしは保険医総辞退問題をはじめ,医事・医療の問題がマスコミをにぎわせた.それらの底には看護婦に関連している面が多々存在しているのであるが,こと看護における‘本質’とは何か,となると,不分明なところが多い.これは小誌でも時間をかけ考えていきたいテーマのひとつである.そこで,まず,第20回日本病院学会でのシンポジウム"看護の本義"を誌上再録する.

研究と報告【投稿】

病院医師に関する研究—4.医師からみた看護婦およびパラメディカルについて

著者: 車田松三郎

ページ範囲:P.94 - P.103

はじめに
 従来は医師が医療に関するオールマイティであると自負してきたが,最近は高度な医学と医療技術を実践するにあたって,医師単独ではどうにもならなくなってきた.すなわち医療に従事するものとして,医師以外に看護婦をはじめとして,パラメディヵル1,2)な臨床検査技師や診療X線技師・栄養士などその役割はそれぞれ異なるが,総合一貫的な医療を実現するうえにおいて欠くことのできないものとなってきた,従来,看護婦はともすれば医師にとっての診療介助にあたるものとしての認識が強かったのであるが,今日では看護婦の教育年限も長くなり,その専門技術も高度なものが要求されるようになり,また他のパラメディカル職種においても同様のことが要求されるようになってきた.医師のこれらの職種に対する見解も,年々変化をみせてきているように思われる.
 そこで今回は,これらの関係について,その実態を観察し,考察を加えていくことにしたい.

大学病院と病院管理—看護の立場から

著者: 小原良衛

ページ範囲:P.104 - P.108

 近代病院であるためには,看護がその機能を発揮することが不可欠な条件の1つと思われる.こうした観点から,大学病院の姿を1年あまりみてきた私の印象は,大学病院には看護はないということである.
 そこで,今回,全国大学病院46施設の看護責任者である総看護婦長を対象に,次のような調査目的,1)大学病院に病院管理なるものが存在しているであろうか2)看護管理の現状はどうか3)その中での影響はどうか4)影響があるとしたらどのようなものがあるかを看護の立場から大学病院改善の意見について24項目のアンケートを行ない,79.3%の回答を得たので,これを中心に記述してみよう.

尼崎病院における検査室管理—第1報検査技術者数について

著者: 冨田重良

ページ範囲:P.109 - P.113

はじめに
 尼崎病院の研究検査部について,最近,2,3の報告1〜3)をしたのが,全国の病院当局者のご注目をひいたらしく,院長ご自身,あるいは検査責任者が,私どもの病院を見学しにみえることが多くなった.私が検査部門に関係するようになったのは,尼崎病院に勤務して以来のことで,今でやっと5年,検査室管理者としてはまだほんの駆け出しに過ぎず,研究検査部自体もまだ未完成であるのに,皆様がたのご注目を浴び,まことに恐縮にたえない.
 しかし,反面,今までの病院検査室のあり方に問題があったからこそ,私どもの素人経営でも目だつのではなかろうかと思い,未熟ではあるが,この紙上を借りて病院の検査室に対する私どもの考え方,種々の試みの結果を述べてみたい.この方面に関心を有する諸賢のご批判,ご教示などいただければ幸いである.

話題

第2回世界病院管理専門調査団報告まとまる

著者:

ページ範囲:P.103 - P.103

 第2回世界病院管理専門調査団が羽田を出発したのは昭和44年6月12日であった.同調査団は団長・東北大学教授島内武文氏,コーディネーター・病院管理研究所紀伊国献三氏以下,団員21名.40日間にわたり,アメリカ・ソ連はじめ11か国,23施設の歴訪調査をおえ,7月21日帰国した.参加者の印象座談会を小誌でもとりあげたりした(昭和45年1月号,変化する病院の役割).
 同調査団は帰国後,この調査の報告書をまとめる必要を感じ,その作成をすすめていたが,このほど‘あすの病院を求めでと題し水色の表紙の報告書ができあがった.

霞ガ関だより

視能訓練士法

著者:

ページ範囲:P.114 - P.115

 昭和46年5月14日,第65国会衆議院本会議において,新しいパラメディカル職種の身分を定める視能訓練士法が可決された.これより先,3月24日に参議院で可決されていた同法は,ここに成立をみたのである.このことは,全国におよそ40万人と推定される両眼視機能に障害のある子どもたちとその両親をはじめ,眼科医学会など,この方面の医療関係者の長い間の願いが実現、したものとして,きわめて意義深い.この法律の公布は5月20日,施行は7月19日であるので,これを機に,同法に関する事柄を略述する.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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