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精神医療と精神病院・9
病院運営の組織構造—英国におけるTherapeutic Community (治療的共同社会)の運営
著者: 鈴木純一1
所属機関: 1フルボーン病院精神科
ページ範囲:P.64 - P.68
文献購入ページに移動 英国における精神病院の運営の組織構造は病院によってそれぞれ特色があり,変化に富むのであるが,幸い私は2つの代表的な英国の精神病院にそれぞれかなり長期にわたって勤務し,病院の運営に参加する機会を得た.ことに治療的共同社会の病院運営組織は,新しい病院運営の方法として,日本においてももっと活用されるべきだと考えるようになった.この与えられた機会にその機能構造の要点を簡単にご紹介してみたいと思う.
第1の病院は,スコットランドのディングルトン病院である.1949年に英国で最初に全病棟を開放しその名を広めた.1962年にDr. Maxwell Jonesが病院長になって以来基本的な運営組織に大変革が行なわれ,病院全体が治療的共同社会となった.と同時に地域精神医療の発展にも大きく手を広げ,スコットランドとイングランドの国境約10万の人口に理想的ともいえる地域精神医療を供給している.ここでは,その臨床的な説明をできるだけ避け,病院運営との関係においてのみ述べることにしよう.病院は413床で100年の歴史をもち,もちろん全病院開放である.
第1の病院は,スコットランドのディングルトン病院である.1949年に英国で最初に全病棟を開放しその名を広めた.1962年にDr. Maxwell Jonesが病院長になって以来基本的な運営組織に大変革が行なわれ,病院全体が治療的共同社会となった.と同時に地域精神医療の発展にも大きく手を広げ,スコットランドとイングランドの国境約10万の人口に理想的ともいえる地域精神医療を供給している.ここでは,その臨床的な説明をできるだけ避け,病院運営との関係においてのみ述べることにしよう.病院は413床で100年の歴史をもち,もちろん全病院開放である.
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