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第22回日本病院学会一般演題抄録 第1日 5月25日(木) 一般演題 1-63
第1群検査・薬剤管理—演題1-(8)
著者: 徳岡三郎1
所属機関: 1大分県立病院
ページ範囲:P.23 - P.27
文献購入ページに移動兵庫県立尼崎病院研究検査部 冨田重良○淡河秀光
尼崎病院では診療内容の高度化に伴い,病理業務は増加の一途をたどっている.昭和46年度は組織診4,114件,細胞診6,073件および剖検126体となっており,これらの業務を制限することなく,臨床側の要望を満たすには,病理医1名では不可能である.しかし,深刻な病理医不足の現状において増員は期待できない.そこで,検査技師を組織診スクリーナー,細胞診スクリーナーおよび剖検専門助手としてそれぞれの分野で専門的にトレーニングした結果,病理医の業務に必要な時間数の約50%を節約しうるようになった.
技師に今後のいっそうの成長を期待するわけであるが,病理部門の問題がこれで解決するわけではない.病理医の数が少ないこと,さらに,病院病理医としての道を進みながら途中で臨床に転向したりするのはなぜかということを,今こそ真剣に考えねばならない.それは,病院側の病理医受け入れ態勢——すなわち,職制の確立,研究的な仕事のための予算化,優遇措置など——の貧弱さによるものと思われる.
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