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特集 夜間診療体制
時間外診療の実際
著者: 山本周助1 皆川忠雄2 太田元次3 大場清4 堀之内宏太5 亀谷寿彦6 清水紀子6 広橋貫之7 津端求8 本島正雄9 吉田一次10 春日豊和11
所属機関: 1札幌市医師会夜間急病センター 2小樽市医師会 3名古屋掖済会病院 4名古屋掖済会病院外科 5自衛隊中央病院・脳神経外科 6東邦大学大森病院 7聖マリア病院・救急部 8京葉病院 9本島内科小児科医院 10吉田外科 11春日医院
ページ範囲:P.44 - P.66
文献購入ページに移動●設立の動機および目的
私ども札幌市医師会会員は,郡市医師会の本来の使命は地域社会に密着した医療に従事することにあるとの認識に立ち,早くから年中行事の一環として老人の無料精密検診を実施し,さらには昭和36年より日曜日・祝祭日の昼間の休日当番医制度を自主的に運営してきた.しかしながら夜間の急病患者を,制度として受け入れる態勢は皆無に等しく,開業医の善意を頼りに放任されていた.その結果,患者はいたずらに時間を費して数軒の病医院の扉をたたき回ることとなっていたのが古くからの実情であった.ところが昭和39年消防法の改正により災害救急病(医)院が生まれてからは,ここに夜間の内科系急患が殺到するようになり,本来の災害救急業務に支障を来たし,各施設とも困惑しているとの痛切な叫びがあがってきた.
昭和44年の春,札幌市医師会館改築の案が具体的になった時点において,この夜間の内科・小児科系の急病患者に対処する施設を会館の中に取り入れてはどうかという構想が生まれてきた.日本否世界にも前例のない事業なので,この計画を結実させるために,実に2年間の営々たる努力が払われた.1000名会員ならびに行政当局への啓蒙と説得,建築資金の捻出,内部施設の検討等々,幾多の難関を突破して,昭和47年1月15日,ようやくこの夜間急病センターは誕生した.
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