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雑誌目次

雑誌文献

病院31巻3号

1972年03月発行

雑誌目次

特集 高度医療設備の経済計算

病院経営における設備投資の目的と効果

著者: 一条勝夫

ページ範囲:P.38 - P.42

●病院経営における設備投資の意義
 病院の経営経済は一般営利企業のそれと大きな相違点がある.医療機器をはじめ,一般に設備投資に対する投資についても,一般的な経営観念でとらえることが適当でない部分が大きい.
 病院における設備投資には次の意義がある.

設備投資に関する経済計算・2

手術部門の経済計算

著者: 古田昭一

ページ範囲:P.46 - P.49

●はじめに
 近年,外科領域での進歩は著しいものがある.ひと昔前まではとうてい不可能と考えられていた臓器移植手術,人工臓器移植手術も現在では日常茶飯事として行なわれているが,これら外科手術療法のめざましい進歩をもたらした要因として,パラメディカルの分野での進歩が,メディカルな面に加わって大きく関与している.
 高分子材料の開発などは貢献度の高いものであるが,特に目だたないものとしては手術室そのものの機能と能率の向上を忘れてはならない.たとえば,空調による手術室の清浄性の維持,恒温,恒湿性などは,長時間手術などに欠くことのできない要件である.またエレクトロニクスの発達は,術中の生体情報をより迅速に,より正確にとることを可能にし,高度の外科治療の安全性に欠くことのできない手術室構成の要素となっているが,これらのすべてを設備するとすれば,要する費用はばく大なものになり,建物,医療器機などの償却,人件費,消耗品費などの費用を合算すると,手術室での収入源である手術料,麻酔料,検査料の合計と比較し,どの程度が回収されるのであろうか,病院経営のうえには気がかりになる事がらである.

設備投資に関する経済計算・3 放射線 a

中小病院の放射線部門に関する経済計算

著者: 河野稔 ,   河野通孝

ページ範囲:P.50 - P.52

 放射線部門の省力化・自動化は電子機器の開発,ME機器の発展に伴い,急速な進歩をとげてきたが,また同時にその医学的貢献度が大きいことが知られるに及び,大病院のみにとどまらず,中小病院においても急速に採用されるに至っている.
 病院の規模・診療科・病院の種類により,どういう機種が利用されるかは異なるが,一般的に利用されるものは消化器系を目的とするX線テレビと自動現像機であろう.またこれらの機器の使用は,即患者中心にもつながり,今後ますますその利用度は増加していくものと思われる.

設備投資に関する経済計算・4 放射線 b

放射線治療装置および核医学診療装置の経済計算

著者: 今永一 ,   森田皓三 ,   桜井邦輝

ページ範囲:P.53 - P.56

●リニヤックおよびベータトロン
 表1に昭和45年度における愛知県がんセンターで使用している放射線治療装置の経済計算を示す.
 リニヤックにはいわゆる原体照射装置がついているが,これはこの購入費の中にははいっていない.電気代はそれぞれこれらの機械を動かすためのもので,照明用電力は含まれていない.修理費としてはベータトロンでは加速管を2年間に1回取り替えるものとして,その1/2の費用が含まれているが,その値が全体の大部分を占める.リニヤックでは2台ともに修理費の中に1個70万円程度のマグネトロンの交換が年に1回含まれている.マグネトロンの保償時間はフィラメント時間で500時間となっており,1日4時間使用したとして年に2.4本の交換が必要となる.しかし最近のマグネトロンの品質の向上で,私どもの経験では年1回の交換で十分である.第一リニヤックで修理費が多いのは部分的な定期点検が施行されたためである.

設備投資に関する経済計算・5 検査部門 a

心電計,心音計と脳波計の経済計算

著者: 一条勝夫

ページ範囲:P.57 - P.59

●心電計の経済計算
 心電計の法定耐用年数は6年であり,1台あたりの取得価額を25万円,残存価額をその10%とすると,減価償却費は定額法では,
 25万円×0.9÷6年=3.75万円……………………(イ) 機会原価は,利益率を10%とみて,各年の未償却残高にかけて算出する.

設備投資に関する経済計算・6 検査部門 b

自動化学分析装置と自動血球計算機の経済計算

著者: 小林正

ページ範囲:P.60 - P.62

●はじめに
 臨床検査の業務量の増加と多様化の解決策として,検査工程,事務処狸の能率を目ざし,その自動化は避けられないものとなってきた.
 東海逓信病院は東海地方における電電公社職員約3万名とその家族7万名を対象とし,診療科数9,病床数150の職域病院で,昭和46年3月に開院したばかりで,まだ十分な病院業務は実施していないが,将来予想される検査数,検査項目の増加に対する省力化のために,また一方職域病院としての特殊性から,治療医学のみならず,予防医学的活動からも,多種目自動分析によるスクリーニングテストを活用し,積極的な診断(潜在疾患の発見)治療を目的とし,自動化学分析装置(SMA12/MICROSURVEY MODEL),自動血球計算機(コールターカウンターD)を購入し,日常業務に使用しているので,その経済性について開院まもない時期で十分なデータはないが,ここに発表し諸氏のご参考に供したいと思う.

設備投資に関する経済計算・7

人工腎臓の経済計算

著者: 太田裕祥

ページ範囲:P.63 - P.65

 人工腎臓による血液透析の目的は,人工腎臓が開発された当時と今日とではだいぶ異なってきた.開発されるまではほとんど救うことのできなかった尿毒症をなんとか延命できないものかというところに目的がおかれていたと思うが,それが次第に可能となれば普及され,改良されて発達することは当然である.人工腎臓が治療内容に容易に取り入れられるようになれば,次は患者サイドの条件,すなわち年齢,合併症,また別の意味で経済力さえ整えば,社会人として復帰し再度活動できるようになった今日とは人工腎臓のもつ意味が異なってきたわけだ.
 この2,3年,著しく普及されややブーム的傾向,全国的にその数はコルフ,キール両型あわせて1,000台を越すようになってきた.そこでこのたびは設備サイドが経済的な計算をして,設備投資を考えることになって今回の企画になったのだと思う.

設備投資に関する経済計算・8

ICUの経済計算

著者: 美濃部嶢

ページ範囲:P.66 - P.68

●はじめに
 ICUの運営にあたっては,critical levelの重症患者を収容し,その呼吸,循環,代謝などの全身管理を集中的かつ強力に行なう上で高度の医療設備を必要とするだけでなく,これらの濃厚な治療・看護を実施するためには,その患者の受持医を中心に多くの専門医や,優秀な看護のチームをはじめとして,検査技師,X線技師その他のパラメディカルのチームの協力が必要である.更にICUの施設・設備に対する維持にも,多くの人手と費用とを必要とするわけで,これらのすべてを網羅しての経済計算となると,経済面には全くのしろうとの筆者にはとても不可能のことと考えられる.
 したがってここでは,一般にICUを開設するのに必要な設備・器械と,それに要する費用の概算,また運営上での治療・看護に必要な人員および,その人件費,患者を治療・看護するのに要する費用,およびそれに対して得られる収益などを,わかる範囲内で資料として提供することにより,実際のICUでの細かい経済計算については読者のご判断に待ちたいと考える.

設備投資に関する経済計算・9

CCUの経済計算

著者: 五十嵐正男

ページ範囲:P.69 - P.71

●CCUの意義
 ここでいまさらCCUの意義を詳しく述べる必要もないが,経済計算を始める前に,それが人の命を救うためにいかに有効で,重要な組織であるかを再認識しておけば,計算法も変わってくると思われるので,簡単に触れておきたいと思う.
 CCUは米国では本来の目的である冠動脈疾患患者,つまり急性心筋硬塞患者を対象としているが,日本では心筋硬塞症は欧米ほど多い病気ではなく,これだけでCCU病棟を常にうめておくわけにゆかないので,その他に重症な不整脈,重症な心不全患者も収容する.つまり重症心臓病棟といった意味で利用されるのが実情である.

病院と統計

患者数と受療率の動向

著者: 前田行雄

ページ範囲:P.10 - P.11

 患者調査は,昭和28年以来,毎年7月中旬の1日(退院患者については6月の1か月間)を調査日として実施されている医療施設面からみた傷病調査である.調査は,全国から層化無作為抽出法によって選出された病院(抽出率1/10),一般診療所および歯科診療所(ともに抽出率1/100)に当日訪れた外来患者,および当日の在院患者について行なわれ,患者の性,年齢,傷病名,治療費の支払方法,在院期間などが調査されている.
 今回は,昭和45年7月8日に実施された調査の結果を中心にして患者の状況を観察してみよう.

グラフ

新しい職域病院—日本電信電話公社東海逓信病院

ページ範囲:P.21 - P.25

 電々公社の職員とその家族を対象とし,管内の病院,診療所,医務室などと密接な連携を保ち,健康管理の中心的役割を果たすことを目的として,東海逓信病院は昭和46年3月に名古屋の中心部に新築された(郵政省関係では名古屋逓信病院がある).
 職域病院の使命として健康管理に重点をおき,臨床検査室と放射線科に力を入れ,また健康管理科・を設けて成人病などの検診を行ない,診療所や医務室の窓口ともなっている.敷地5,117m2.地上7階,地下1階,全館空気調和.150床,11科.

日本の医療界へ,華やかなデモンストレーション

ページ範囲:P.94 - P.97

英国の医学と医療機器展
ピンセットから注射器廃棄装置まで 新しい日英の協力関係を目ざし31社が参加2月28日−3月6日東京・北の丸公園・科学技術館

横浜赤十字病院長 服部達太郎氏

著者: 重藤文夫

ページ範囲:P.26 - P.26

 一言で評せば,何をやらせてもできる人といえる.口も立つ.筆も立つ.筆は文章のみではない.絵もかく.書もかく.
 横浜赤十字病院長として赴任するや,古い建物を現在の地に鉄筋で310床の近代的総合病院に移転新築した.

緊急座談会

診療報酬緊急是正をどう受けとめる

著者: 柴山豊 ,   春日豊和 ,   尾口平吉 ,   黒田幸男 ,   石原信吾

ページ範囲:P.29 - P.36

 荒れに荒れた中医協の医療費改定審議が,ようやくまとまり,この2月から実施の運びとなったが,今回の改定の特徴,各方面にもたらす影響,さらに今後の問題点など,病院側と開業の側からご出席いただいて意見をご披歴いただいた.

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読者の声

著者: 津田順吉

ページ範囲:P.58 - P.59

田舎老医の外来論
 1971年12月号の‘病院外来を点検する’は有意義だった.ことに岩佐の‘概念を点検する’は歴史的で,日本ではじめての教示のように思った.チャリティー外来ということばは,私にとってはじめてのものだった.私のいる新潟県で,県立病院の院長が‘その県立病院の収入源として外来収入が70%も占めているので,真に重要だ’と発言したことから,医師会の大きい問題となった.その理由は,病院は入院患者だけみるべきで,開業医は外来をみる原則論からの非難だった.この岩佐の論文をみると,そうした医師会の原則論はあまりにも簡単すぎることがわかるし,ことに岩佐の包括医療(これはどうも,生まれてから死ぬまでのことを意味するらしいが)の概念のなかで,外来診療を位置づけることこそ必要だとすることは,真に新しい教示だと思った.
 私には,今のわれわれの医療の自由さのなかに,たいせつな収入とか経済の面が大きく姿をあらわして,それと同等にたいせつな本物の医療の影がうすくなってきつつあるように思われる.

将来の病院と医療・3

健保連会長 安田彦四郎氏へのインタビュー

ページ範囲:P.72 - P.76

●中医協の構成メンバーに疑問
 本誌 昨年7月に保険医の総辞退,その後中央社会保険医療協議会での診療費の改定の問題が出まして,それがようやく2月1日実施という紆余曲折があったのですが,このあたりの評価をお聞かせ下さい.
 安田 やっぱり中医協の体質の問題でしょうね.それと,論議をするというよりも,斯界の代表者が真の代表者であったかどうかに問題があって,決定権があったのか,なかったのか,わからない.

時評

医療保険制度の抜本改正案への発言

著者: ぐみ

ページ範囲:P.77 - P.77

 斎藤厚相は2月5日に医療保険制度の抜本改正案=医療保険各法の改正案要綱を社会保障制度審議会に対して諮問した.この案については既に日本医師会の武見会長やその他いろいろの方面から多くの反論や批判が出されている.
 この案における1つの柱は政府管掌健康保険と組合管掌健康保険などの財政調整に関する事項であって,法定医療給付費の1/2を対象として財政調整を行なう案になっている.これに対して健保連はもとより,日経連や労働組合方面からも反対の声があがっているが,この点については私は触れない.その他の事項に対してもいろいろな反対意見が多く出されているが,私としてはこの政府案は大筋において正鵠を得たものとして大いに賛意を表したい.ことに私の興味をひき,その実現を望むのは次の2点である.

私的病院からのレポート・3

—東京・三愛会 伊藤病院—リハビリに主力を注ぐ都心の病院

著者: 一条勝夫

ページ範囲:P.78 - P.84

 わが国にリハビリテーションの技術が導入されたのは比較的最近のことで,保険の面でも一つの盲点となっているが,このような状況下でリハビリテーションを中心に診療を続けて5年になる伊藤病院の場合,運営面での苦労をどう切り抜けてきたのであろうか,主として経営面の実態を単刀直入にうかがった.
 伊藤邦彦院長(写真左)は東京都出身.昭和21年日本医大を卒業,医科歯科大,国立東京第一病院に勤務,一時医歯大講師としてもどられたが33年開業された.当初は整形外科・外科を主力にした病院であったが,42年現在地にリハビリ専門病院を私財を投げうち開設された(写真右).

管理者訪問・48

山形市立病院済生館長 岡田泰衛先生

著者: 車田松三郎

ページ範囲:P.85 - P.85

 山形県庁や市役所に取り囲まれ,山形市のほぼ中心地に,現在453床を有する市立病院済生館がある.今回はこの病院の館長,岡田泰衛先生を訪問した.
 先生は東北帝国大学医学部を昭和11年にご卒業になり,内科学とくに結核関係の専門である.28年に内科医長として当館に赴任され,40年に副館長に昇任された.前館長のあとをついで,第13代目の館長になられたのは44年とのことであり,それ以来現在に至っておられる.

看護管理・3

看護部の組織化

著者: 加藤茂子

ページ範囲:P.86 - P.87

はじめに
 近年,医療はますます高度化,複雑化の度を増してきた.昔のように人の精進に頼る管理から,組織化された機構のもとでの委任分担された科学的管理へと移行していくのでなければ看護業務の運営はできない現状にある.
 それにはまず病院組織図における看護部の位置づけ,および委任されている責任分担の範囲の確認と理解が必要であろう.

医事業務あれこれ事例集・3

結核予防法業務の中央化

著者: 町支義明

ページ範囲:P.88 - P.89

業務を計画的なしかたに
 かつて私どもの病院では,結核病床が一般病床の20%弱であり,外来患者も全体の10%程度が結核患者であった.したがって,結核予防法に関する申請とか,届け出などについては,入院患者は病棟まかせ,外来患者は診療科まかせにしていたことが多かったから,いきおい結核業務に関する病院としての中央窓口がないまま,保健所との連絡交渉には関係部門が個々にあたり,また申請,届け出などについても常時定まった職員が計画的にチェックして行なうわけでなく,業務処理の必要に遭遇した職員が自主的または指示されて行なうというきわめて対症療法的なやりかたであった.
 したがって計画的管理とはほど遠いものであったし,また申請,届け出,患者票などの関係書類の内容点検も十分になされず,ひたすら関係部門の自主制に任せる,というやりかたであった.

検査室の窓から・3

研究検査部の誕生

著者: 冨田重良

ページ範囲:P.90 - P.91

 現在尼崎病院の検査部門は研究検査部とよばれているが,この名前は事情を知らない部外者には理解されにくいものらしく,学会発表の折など,中央検査部とか臨床検査部などまちがえて記載されることが多い.この研究検査部なる名称は,研究検査科が部に昇格してつけられた名前であって,部内には診療部の各科に相当する血液,生化学,生理,細菌,血清,病理,アイソトープの6検査室が設けられ,診療部,事務部と並ぶ大きな組織になっている.検査部門がこのように大きな組織になっている病院は他に例が少ないと思われるので,その成立のいきさつについて触れてみたい.

病院のひろば

これからの病院と開業医の関係

著者: 新美毅

ページ範囲:P.99 - P.99

病院と開業医は,デパートと小売店とであってはならない
 医学教育の問題,医学的格差の問題,医療制度の問題など,幾多の難問を抱えている今日であるが,訪れて来る多くの病人たちによりよい医療をとだれもが考えている.しかしながら根本的解決策のないまま,時の流れとともに,自らの情熱がマンネリ化するのを怖れなければならない.医師も一般国民もすべての患者によい医療を……と考えているのは同じである.よい医療が大きい建物とはかぎらないが,高度の特殊機能を有する医療が個人開業医では不可能であることも事実であるが,医学的特殊機能を必要とする症例は全患者の1割にも満たない数である.官公立の病院ができる,その他一般病院ができる,これに対して開業医は利害の対立から反対ののろしをあげて闘うありさまは,保険制度の堕落とともに医師の社会的信用に疑問を投げかけた大きな原因と思われる.

病院史のひとこま

基準看護成立の周辺

著者: 金子光

ページ範囲:P.100 - P.100

昭和25年完全看護制度スタート
 ‘看護は看護婦の手で’というスローガンを発表し,それを実現するために,‘完全看護’とよばれる看護体制が病院につくられ,家族や職業付添人を廃止するようになったのは昭和25年であった.
 ‘完全看護’なら何でもしてくれるのだろう,食事のおぜんを運んでくれ,寒いのに便所に行くのはめんどうだ——便器を持ってきてくれ,顔を洗うからお湯を……などという要求が次々と出されて,ワザといやがらせをする患者もなかにはあらわれてきたりして,不完全看護ではないかと名誉を大いに傷つけるはめになったものである.

病院建築・38

栃木県がん検診センター

著者: 内藤彰

ページ範囲:P.101 - P.104

はじめに
 結核などの死亡率が減って,癌の死亡率が高くなってきたこととも相まって,癌の治療の問題が今日の医学界において,大きなテーマとなっていることは周知の事実であり,対癌施設としてのがんセンターが,全国各県で計画され,建設されてきている.
 がんセンターの施設は機能的にみて,治療のための病棟部門と,研究部門とから成り,それに検診部門が付属しているのが本来の姿であろう.

精神医療の管理・3

幼児自閉症の入院治療

著者: 藤原豪

ページ範囲:P.105 - P.112

精神医療の管理の第3回は幼児自閉症児の入院治療についてとりあげてみた.自閉症児の問題については,本誌29巻8号で(詫摩武元ほか:都立梅ケ丘病院のいわゆる自閉症病棟)若干の紹介を兼ねて掲載したが,今回はより幅広く論じていただくことにした.

地域医療

新宿区における開業医と病院の連携

著者: 春日豊和 ,   古藤弘

ページ範囲:P.113 - P.116

地域における医療機関のシステム化が叫ばれているおり,新宿区では,いち早く開業医と病院間の協力が進められている.このような気運がどのようにして起こり,現在どのように行なわれているのかおふたりの先生にご登場ねがった.

研究と報告【投稿】

患者が医療をうけるに際して求める病院の情報

著者: 小野殖子

ページ範囲:P.117 - P.120

はじめに
 近々10数年間における医学の進歩は,多くの人の予想を超えるものであり,特にエレクトロニクスの開発に支えられて,各種検査・診断技術・治療方法が大幅に革新されてきつつある.
 1929年,フレミングによってペニシリンが発見されて以来,抗生物質の開発は疾病構造を大きく変え,死因順位は結核などを含む細菌性疾患に代わって,脳卒中・悪性新生物・心臓病が上位を占めてきた.

霞ガ関だより

国立病院診療業務統計

著者:

ページ範囲:P.122 - P.123

 本誌第30巻第1号(1971年1月)のこの欄で紹介した,国立病院における診療業務統計は,その後も順調に実施され,近く昭和46年11月分のシートが集計され,各国立病院にその結果が通知されることになっている.ここでは,昭和46年5月分の結果を中心にその概要を述べることにしたい.
 この統計は,退院患者の診療録の要約から疾病別に診療業務の実態を電算機を用いて集計し,その結果に基づいて診療管理の適正化,診療機能の向上および医学研究などへの活用をはかるために実施されたものである.対象となった病院は,昭和45年10月の8病院から22病院に増加され,退院患者の総数は,7593人となっている.なお,昭和46年11月分については,全国の95国立病院を対象に一部の項目を除いて実施された.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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