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精神医療の管理・4
自閉症児の外来治療と指導
著者: 十亀史郎1
所属機関: 1県立高茶屋病院児童科
ページ範囲:P.103 - P.108
文献購入ページに移動 昭和39年,三重県高茶屋病院で児童精神科病棟をもち,あすなろ学園として,外来をも含めた診療に携って以来,早いもので,もう9年目になる.その間自閉症といわれる子どもたちの治療にあたってきたが,ここで.自閉症の治療法といった技術的な問題について書く前に,その技術の生かされる場を形成し,条件を整えることが重要であることを申し上げておきたい.こうした児童精神科医療をすすめていくには,まず,どうしても児童精神医学を専攻する医師,その他の特に訓練された職員が必要であり,更に,その治療管理が明確に有機的・独立的単位を構成する必要がある.これを一般の精神科治療の延長線上に考えたのでは,その治療は,まず運営面から日を見ずして委縮するにちがいないであろう.
ご存知の方には今さら申し上げるまでもないが,この自閉症については種々の見解があり,それが一応43年であったか,これを疾患単位としてでもなく,性格としてでもなく,症候群としてみる点で,おおかたの一致がみられている.原理的にも器質的側面,養育的側面,その他多種の背景があると想定されるものであり,その改善可能性についても,症状・年齢によって相違がある.したがって,その指導方法は各個人によってかなり違うところがあって当然だが,この原稿の目的から,以下に述べるような一般論をあげるにとどめておく.
ご存知の方には今さら申し上げるまでもないが,この自閉症については種々の見解があり,それが一応43年であったか,これを疾患単位としてでもなく,性格としてでもなく,症候群としてみる点で,おおかたの一致がみられている.原理的にも器質的側面,養育的側面,その他多種の背景があると想定されるものであり,その改善可能性についても,症状・年齢によって相違がある.したがって,その指導方法は各個人によってかなり違うところがあって当然だが,この原稿の目的から,以下に述べるような一般論をあげるにとどめておく.
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