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特集 看護の独立を考える
"看護婦崇拝論"(賀川豊彦著)を読んで
著者: 今村栄一1
所属機関: 1国立東京第一病院小児科
ページ範囲:P.42 - P.43
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看護という仕事は,人のいのちをあずかるということで尊いものであるということは,だれでも認めている.そこで看護婦は尊敬されるべき職業であるということも当然である.
しかし看護史をふり返ってみれば,看護婦は必ずしも尊ばれていたわけではない.近代看護がそれを乗り越えて,看護内容を科学的にし,看護婦の地位を向上させたことは事実である.しかし一方では,看護婦が技術者として,あるいは労働者としてとどまろうという傾向はないであろうか.そうでないとしても,現在のわが国において,看護婦を崇拝するということを正面きって言うことができるのだろうか.
看護という仕事は,人のいのちをあずかるということで尊いものであるということは,だれでも認めている.そこで看護婦は尊敬されるべき職業であるということも当然である.
しかし看護史をふり返ってみれば,看護婦は必ずしも尊ばれていたわけではない.近代看護がそれを乗り越えて,看護内容を科学的にし,看護婦の地位を向上させたことは事実である.しかし一方では,看護婦が技術者として,あるいは労働者としてとどまろうという傾向はないであろうか.そうでないとしても,現在のわが国において,看護婦を崇拝するということを正面きって言うことができるのだろうか.
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