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文献詳細

雑誌文献

病院32巻10号

1973年10月発行

文献概要

赤十字の理想に生きる 名古屋第一赤十字病院 田代勝洲院長

著者: 橋本義雄1

所属機関: 1愛知医科大学

ページ範囲:P.18 - P.18

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 「友は第二の我なり」という.田代院長と私とは大学の同級生で,昭和4年卒業後同じく名大第一外科,斎藤真教授の門下生になった.在局中でも田代院長は私に比べれば確かに社会に通じ,常識も豊かで,ある信念を持ち,思想的にも"よりおとな"であった.そのころ農村の疲弊による住民を救うために医療利用組合病院の設立に尽力し,遠く秋田県能代にまで出向し悪条件を克服して医療奉仕に尽された.まさに赤十字創立者デュナンの「みな人間同士なのに!」という精神に類するものがあった.私もこれによってその後医療のあり方についてひとつの考え方を実際に教えられた.
 現在の病院に赴任されてからは主として"ガンと闘う"の精神に燃え,愛知県対ガン協会の発足に奔走し,次いで愛知県がんセンターの創立に尽し,日赤病院にはガン治療センターを新設して専門の外科技術を通じてガン治療に挑戦された.院長就任後はますます赤十字の理想とする博愛の精神と公平な心の実践を医学教育面にも及ぼし,年の長ずるとともに頑迷のうちにも温情ある心をもって,奉仕という具体的行為により福祉に貢献しておられる.それだからこそ現在の発展した病院の姿があるのだと思う.「友は失うは易く得るは難し」私は田代院長を友に持ったことをこの上なく幸いに思って感謝している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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