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人
虎の門病院‘山脈’の三代目院長 浅井一太郎先生
著者: 幡井ぎん1
所属機関: 1虎の門病院看護部
ページ範囲:P.20 - P.20
文献購入ページに移動 院長との最初の出会いは昭和31年であったと記憶している.以後17年間のおつきあいである.当時先生は大蔵省診療所所長であり,また専門分野である血液学会の重鎮でもあられた.その診療所を病院にという話がしだいにふくれて虎の門病院が生まれたのであるが,言い出した先生が土地探しから計画など一手にすすめられたようである.いつのまにか成果が集積されたという感じで,虎の門病院が発展したのは先生の人格によるところが大きく,これは衆目の一致するところである.東京に点在する数か所の共済病院の一環化など,先生の抱かれる百年先を見通した構想は常に高く深くその大きさに驚かされることはしばしばである.三代目の院長ではあるが‘種’の時点から今日に至るまでの経過を追うと‘カイゼルのものはカイゼルへ’の感じが生々しく迫ってくる.ふさふさとした素敵なロマンスグレイであった頭髪もいまは多少淋しくなられた.将来へ無限の夢を擁している虎の門病院の院長として先生のお年を今のところで止めたい………と願うことしきりである.
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