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欧州における救急医療の問題・3
イギリスとスイスの救急医療
著者: 渡辺茂夫1
所属機関: 1国立熱海病院
ページ範囲:P.105 - P.110
文献購入ページに移動ロンドンの救急車サービス
大ロンドンの救急車サービス(Emergency service)には3つのセンターがある.
1)イルホード(Ilford)コントロールセンター 2)ケントン(Kenton)コントロールセンター 3)中央司令部(C.E.C.)コントロールセンターこれと,救急業務ではなくて運搬・移送のみをする 4)カムデン(Camden)コントロールセンター 5)ブロムレイ(Bromley)コントロールセンター 6)マルデン(Malden)コントロールセンターがある.ここの救急車は,英国では救急業務のみでなく,non urgentの運搬・移送を,すなわち歩行不自由者,ねたままの患者などの病院間の移送,外来通院の送迎などをやっている.この件数のほうが圧倒的に多く,全体の95%であって,救急活動に動員するのは年間総実働数の5%にすぎない.最近1年間の1750万の移送患者のうち,5%がいわゆる救急業務(事故・突発的急病)で,15%が妊婦を含めた入院・退院・転院の患者,80%は外来に通院する患者とのことである.
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