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病院職員のための医学知識・4
臓器移植の現状と将来(2)
著者: 初音嘉一郎
所属機関:
ページ範囲:P.72 - P.73
文献購入ページに移動拒絶反応について説明して下さい.またその対策にはどんな方法があるのでしょうか.
体内に侵入し,それに対抗する抗体を生じしめる源になるものを抗原といい,抗原に対して抗体が拮抗して働く現象を抗体抗原反応といいます.この現象は生体が病原菌から身を守る防衛上たいせつな機構で免疫反応とも呼ばれます.人体にはこのように後天的に生じる抗体の他に,生来他の個体が体内に移入移植された際にこれを自分と組織と異なると認識し,これを体外に排除しようとする性質があります.すなわち生体を構成しているすべての細胞には組織抗原というものが存在し,これらはY染色体上の遺伝子やX染色体に支配されているため遺伝しますが,これらの抗原はある臓器組織が他の生体に移植された際にはその生体特有の組織抗原と異なった構成をもっているので認識され,これに対抗し,体外に排除しようとする反応を惹起します.この反応を拒否反応と呼びます.このような免疫反応は一卵性双生児間の移植では全くみられません.これはこのような2人の組織抗原の構成が全く同じであり,受け入れる側の反応中枢が認識すべきよそ者が移植されるものの中に1つもないからです.同様な無反応状態は2つの系統間の交配で得られた第一代の子に父系または母系の動物から臓器を移植した際にもみられます.
体内に侵入し,それに対抗する抗体を生じしめる源になるものを抗原といい,抗原に対して抗体が拮抗して働く現象を抗体抗原反応といいます.この現象は生体が病原菌から身を守る防衛上たいせつな機構で免疫反応とも呼ばれます.人体にはこのように後天的に生じる抗体の他に,生来他の個体が体内に移入移植された際にこれを自分と組織と異なると認識し,これを体外に排除しようとする性質があります.すなわち生体を構成しているすべての細胞には組織抗原というものが存在し,これらはY染色体上の遺伝子やX染色体に支配されているため遺伝しますが,これらの抗原はある臓器組織が他の生体に移植された際にはその生体特有の組織抗原と異なった構成をもっているので認識され,これに対抗し,体外に排除しようとする反応を惹起します.この反応を拒否反応と呼びます.このような免疫反応は一卵性双生児間の移植では全くみられません.これはこのような2人の組織抗原の構成が全く同じであり,受け入れる側の反応中枢が認識すべきよそ者が移植されるものの中に1つもないからです.同様な無反応状態は2つの系統間の交配で得られた第一代の子に父系または母系の動物から臓器を移植した際にもみられます.
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