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文献詳細

雑誌文献

病院32巻6号

1973年06月発行

文献概要

病院建築・52

欧米のバイオクリーン手術室

著者: 古橋正吉1

所属機関: 1東京医科歯科大学(中央手術部)

ページ範囲:P.103 - P.109

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はじめに
 昭和47年10月,チューリッヒのクリーンルームに関する国際会議に出席し,その後,欧米の病院を視察した.手術部の建築設備および運営については参考になる点が少なくない.とくに注目されるのはバイオクリーン手術室の新設である.バイオクリーン技術は室内空気汚染防止上きわめて有益であるが,同時に手術チームなど人を介する細菌感染に対する対策も必要である.本文ではこれらの視察内容のいくつかを紹介したい.
 バイオクリーン手術室には各種の空調方式がある.その代表的な方式として,CharnleyのGreenhouse方式,Vertical laminar flow方式,Down/Cross laminar flow方式,Wall-less horizontal laminar flow方式などがある.各地の病院ではこれらの方式を選択し,整形外科の股関節全置換術などにバイオクリーン手術室を利用してすぐれた実績をあげている.英国の整形外科医Charn-leyは股関節全置換術の感染率9%を10年後に0.5%に低下させている.しかも抗生物質治療は術前・術後にはいっさい行なっていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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