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今日の精神医療・7
治療関係論
著者: 小此木啓吾1
所属機関: 1慶応大学精神医学
ページ範囲:P.98 - P.101
文献購入ページに移動はじめに
治療関係とは,治療を目的として成立する人間関係のことである.当然のことながら,どんな医療も治療関係を介することなしには実践されえないが,必ずしも,医療に携わる各種の専門家が,自分と患者,自分と他の医療スタッフとの間で発展してゆく治療関係について,十分な認識をもちながらその実践を続けてきたとはいいがたい.
ところが,最近,医療過誤問題や患者の人権問題がきびしく追及される時代になって,どんな医療従事者も,それぞれに応じた,自分なりの治療関係論をもつことが,急務の課題になろうとしている.そのような意味で,精神科医療,とりわけ入院治療の中で発達してきた治療関係論の動向のいくつかを,ここに紹介してみたいと思う.
治療関係とは,治療を目的として成立する人間関係のことである.当然のことながら,どんな医療も治療関係を介することなしには実践されえないが,必ずしも,医療に携わる各種の専門家が,自分と患者,自分と他の医療スタッフとの間で発展してゆく治療関係について,十分な認識をもちながらその実践を続けてきたとはいいがたい.
ところが,最近,医療過誤問題や患者の人権問題がきびしく追及される時代になって,どんな医療従事者も,それぞれに応じた,自分なりの治療関係論をもつことが,急務の課題になろうとしている.そのような意味で,精神科医療,とりわけ入院治療の中で発達してきた治療関係論の動向のいくつかを,ここに紹介してみたいと思う.
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