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特集 週休2日制
医療労働者が週休2日制を要求する根拠—労働時間短縮を土台として
著者: 宇和川邁1
所属機関: 1日本医療労働組合協議会・調査部
ページ範囲:P.26 - P.29
文献購入ページに移動労働者の労働時間短縮運動の全経過は省略することにして,最近のそれは,国際的にみると,1955,56年頃から発展しはじめており,1958年,世界労連第4回世界大会は「労働時間に関する決議」を行ない,多くの先進資本主義諸国で週40時間制をめざした.これらの運動が背景にあり,1962年,ILOは第116号勧告——週40時間制の段階的達成——を採択した.このような動きとともに,各国で年次有給休暇の延長が進められ,この影響のもとで,1970年,ILO総会で,3労働週の年休を最低とする改正年次有給休暇条約(第132号)が採択されている.労働時間短縮は進んできているが,これは労働者が要求し,ストライキさえも行使して運動してきた結果であり,社会主義諸国での労働時間短縮の影響も強くうけたものである.さらに,1971年,ILO理事会は,レクリエーションのための有給休暇とは別に,職業訓練,一般教育,労働組合教育のための‘有給教育休暇’を,総会の議題とすることを決定している.週休2日制は,これらの労働時間短縮運動,日あたり労働時間短縮を土台とした週40時間制,さらに週35時間制と結びついて具体化されてきたものである.
日本の労働時間短縮運動は,1960年頃からはじまっているが,国際的にみてそのテンポはおそかった.しかし,ここ数年,この運動は急速に高まっている.
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