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招待席
ネパールでの体験から
著者: 岩村昇 佐藤智1
所属機関: 1東京白十字病院
ページ範囲:P.72 - P.80
文献購入ページに移動岩村 35年ほど前から日本キリスト者医科連盟というクリスチャンのお医者さんや看護婦さんの集まりがあったんですが,戦争が終わって平和になってから,なんとかアジアの国に医療奉仕に行きたいという同志が集まって,海外医療協力を実行する団体として‘日本キリスト教海外医療協力会’ができたわけです.そこを通してネパールで公衆衛生を必要としていると聞きました.私は公衆衛生の中で伝染病サイドのことをやっていたので,海外へ出るときがきたと思いました.当時のネパールは,秘境ヒマラヤということで,探険的な興味もあり行ったんです.行った先には,12か国から25のキリスト教団体が集まったネパール合同ミッションというのがありました.このミッションのやり方は,それぞれの医者や看護婦の人件費等は本国からの浄財献金によって,それから生活費,新しい仕事の経費,共同の事務費などの一部分担金として一定額を出しているわけです.そのネパール合同ミッションが,現在までネパール政府の許可を得て病院・診療所を7か所ばかりつくってきたわけです.私はその中の1つである西ネパールのタンセンというところで初めの9年間やってきました.
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