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文献詳細

雑誌文献

病院33巻10号

1974年10月発行

文献概要

中検管理から病院管理へ 関東中央病院 樫田良精院長

著者: 守屋博1

所属機関: 1順天堂医院管理部

ページ範囲:P.13 - P.13

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 知らない人がみたら,大僧正か大親分と思うかもしれない.先代十次郎先生が日本橋で有名な開業医であったので,昭和12年東大医学部卒業と同時に呉内科にはいられ,臨床に進まれた.当時有名な呉—沖中心臓チームではもっぱら心電計を担当され,開発中の心電計の草分けの1人として,器械化診断に一歩を入れられた.今日MEからコンピュータに進み,さらにシステム医療の第一人者になられた端緒である.沖中チームでは神経細胞学研究のため,病理学教室の吉田教授のところに留学されている.今でもこと神経病理に関しては決して本職に負けないと自慢しておられる.
 たまたま昭和29年東大病院の新築と同時に,近代組織化のため中央手術室と中央検査室の計画が始まった.呉先生のあとを継がれた美甘教授が中央検査部長になられたので,助教授の樫田先生が副部長といいながら,実質的に創立の責任を負わされたのである.われわれ病院管理屋は,病院の近代化は諸機能の中央化,ことに中央検査室の確立から始まると考えて一般病院で苦労していたのであるが,国立大学では有名な講座割拠制度のため急には中央化は進まないであろう,場合によれば10年仕事かと考えていたが,実際にはわずか数年でりっぱな検査室ができあがった.これは中検の実績が事実をもって前近代性を圧倒したとみるべきであろう.東大で中央制度が確立したことは,結果として他の国立大学や私立大学に及び,病院近代化の突破口となったのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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