文献詳細
文献概要
--------------------
院長日誌
著者: 名尾良憲1
所属機関: 1三楽病院
ページ範囲:P.60 - P.60
文献購入ページに移動医療制度の問題
<某月某日>5月からこの病院にきたが,ここは職域病院ということで,地域病院とはやや趣きを異にしている.その違うところは,職域における健康管理,すなわち人間ドックから精密検診までを行なう点である.しかし,そのほかの点ではなんら地域病院と異なるところはない.すなわち高度専門医療を旗印にかかげなければならないわけだ.
昨年,毎日新聞紙上で,松岡英夫氏との対談,「病院の赤字」を連載したことがあるが,そのときには都立豊島病院長をしていたので,自治体病院の使命をはじめとして,公的病院の不採算診療などについて語った.そのときの考え方は今でも少しも変わっていない.わが国における公的病院が独立採算でやろうと考えること自体が誤りで,高度専門医療化がすすめばすすむほど赤字がでるのは当然である.この根源は保険制度の欠陥にある.すなわち医療技術を軽視しているわけだ.
<某月某日>5月からこの病院にきたが,ここは職域病院ということで,地域病院とはやや趣きを異にしている.その違うところは,職域における健康管理,すなわち人間ドックから精密検診までを行なう点である.しかし,そのほかの点ではなんら地域病院と異なるところはない.すなわち高度専門医療を旗印にかかげなければならないわけだ.
昨年,毎日新聞紙上で,松岡英夫氏との対談,「病院の赤字」を連載したことがあるが,そのときには都立豊島病院長をしていたので,自治体病院の使命をはじめとして,公的病院の不採算診療などについて語った.そのときの考え方は今でも少しも変わっていない.わが国における公的病院が独立採算でやろうと考えること自体が誤りで,高度専門医療化がすすめばすすむほど赤字がでるのは当然である.この根源は保険制度の欠陥にある.すなわち医療技術を軽視しているわけだ.
掲載誌情報