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清瀬病院街の移り変わり
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ページ範囲:P.13 - P.19
文献購入ページに移動昭和5年,赤松を混えた一面の雑木林の中に,東京府が結核病院の建築を始めた.精神病の松沢病院とならんで結核の清瀬病院というわけである.武蔵野電車清瀬駅下車,雑木林の中を徒歩10分という距離で,人家も見えない林の中であった.結核の病院というのでは地元の反対も強かろうと,工場と偽って建築にかかったそうである.ところが工場にしては煙突が少ないというので,計画が露見,視察に来た衛生課長が,むしろ旗を立てた農民たちに,こやしだめに突き落とされたという伝説が残っている.無医村であった.
それでもとにかく,東京府立清瀬病院は,昭和6年10月20日開院した.初代院長岡寿郎博士は,その最初の年報に書いている.
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