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英国で学んだ病院管理・5
病院計画(Hospital Planning)
著者: 関武矩1
所属機関: 1聖路加国際病院秘書課
ページ範囲:P.70 - P.71
文献購入ページに移動英国における病院建築計画について,国が組織的にとりくみはじめたのは,1962年からであるというから,まだ10年あまりである.国営医療の英国では,病院の新築や増改築による増床は,国のレベルで慎重な検討がなされて決定されるから,個々の病院が勝手に増築や新築を計画しても,その必要性が認められなければ,国は許可しないし,予算も与えない.
英国では,人口に対する病床数がきわめてきびしく統制されていて,無闇にベッドを増やすことは不可能である.過去10年間で,英国全体の人口動態には大きな変化がないから,病床数も極端にふえることはない.このことは,1年間に3万床も増加する年があるわが国とは,比べようもない.しかし建築や設備のコストが毎年騰貴しているから,政府が支出する病院建築予算は年々大幅に上昇していることはたしかである.たとえば,1956年度に147億円であった予算が,組織的な動きをはじめた1962年度には224億円となり,さらに1971年度では1200億円に達している.
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