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病院職員のための医学知識・17
肥満と病気
著者: 松木駿1
所属機関: 1慶大・内科
ページ範囲:P.72 - P.73
文献購入ページに移動肥満は,戦後の食糧難の解消とともに増加しはじめ,昭和40年頃までは年々増加してきたと思いますが,一般の肥満に対する認識が高まったたあに,その後はあまり増加せず,最近はむしろ多少減少してきたのではないかと,私どもは期待しています.したがって,最近肥満がふえているという話は,それだけ肥満に対する関心が高まったことを意味すると思います.
欧米では肥満は男性より女性に多いのですが,わが国は反対に男性のほうが多いのです.年齢では50歳台がもっとも多くなっています.その後は,60歳台,70歳台とだんだん減少してきますが,それは50歳台に肥満している人が60歳台になってやせてくるのではなくて,肥満している人の死亡率が高いために欠けてくると理解しなければなりません.したがって長生きをするには,肥満している人ではその可能性が少なくなっているということで,肥満は長生きの大敵であるといえます.
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