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文献詳細

雑誌文献

病院33巻7号

1974年07月発行

文献概要

特集 放射線部門の問題をさぐる

フィルム管理の問題と方法

著者: 平松慶博1

所属機関: 1帝京大学・放射線科

ページ範囲:P.30 - P.35

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フィルム管理の現状
 X線フィルムの保管は,法により2年間と定められている(医療法施行規則第20条).保管とは‘保護し,管理する’ことで,したがって,フィルムの場合は,必要時にいつでもすみやかに取り出すことができる状態になっているのが本当である.しかしながら,これが満足に行なわれている病院あるいは医院は少ない.倉庫の片すみに雑然と入れられていたのでは,保管されているとはいえない.それはほとんど廃棄処分された状態に近い.
 法的な保存期間は2年としても,診療の面からすれば,フィルムは少なくとも10年,できるなら永久保存したいものである.以前に撮影されたフィルムが簡単に手にはいらないばかりに,比較的短い期間内に,再び同じX線検査が行なわれることがいかに多いかは,実際診療に携わっている人なら,よく知っている事実である.これが,あまりにも当然のことのように行なわれているので,医師もとくに前に撮られた写真を取り寄せる努力をそれほどしないで,‘もう一度撮影しましょう’ということになる.患者は,むしろこれをありがたいことだと錯覚していることが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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