文献詳細
特集 病院と麻酔科
文献概要
大学病院外科教室入局のころ
私が大阪大学第1外科教室に入局したのは,わが国が敗戦の混乱と虚脱状態から立ち直ろうとしていた昭和25年であった.
入局したばかりの私たちに最初に与えられたのは,教室の主催で開かれた日米医学会議の下働きの仕事だった.米国から,講師として外科医ローズ,麻酔医サクラド両氏が来日し,数日間にわたって講演が行われ,私も雑用の合間に講堂の片隅で耳を傾けた.外科の話は何とか理解できたのだが,麻酔のほうは--今になって考えてみると気管内循環式麻酔の話であったらしいのだが——その当時は,何のことやらサッパリわからなかった.それでも何となく,アメリカ医学が著しく進歩しており,われわれは大変遅れているんだな,という印象を受けたことを記憶している.
私が大阪大学第1外科教室に入局したのは,わが国が敗戦の混乱と虚脱状態から立ち直ろうとしていた昭和25年であった.
入局したばかりの私たちに最初に与えられたのは,教室の主催で開かれた日米医学会議の下働きの仕事だった.米国から,講師として外科医ローズ,麻酔医サクラド両氏が来日し,数日間にわたって講演が行われ,私も雑用の合間に講堂の片隅で耳を傾けた.外科の話は何とか理解できたのだが,麻酔のほうは--今になって考えてみると気管内循環式麻酔の話であったらしいのだが——その当時は,何のことやらサッパリわからなかった.それでも何となく,アメリカ医学が著しく進歩しており,われわれは大変遅れているんだな,という印象を受けたことを記憶している.
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