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文献詳細

雑誌文献

病院34巻10号

1975年10月発行

文献概要

研究と報告【投稿】

看護よりみた滅菌消毒法の現況—器具の滅菌消毒について

著者: 牧野泰子1 鵜沢陽子1 中島紀恵子1 松岡淳夫1

所属機関: 1千葉大学教育学部特別教科(看護)教員養成課程

ページ範囲:P.81 - P.87

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はじめに
 近年,化学療法剤ならびに抗生物質のめざましい発達により,感染症の治療成績の向上は著しいものがある.そして,ややもすれば滅菌消毒に対する認識を軽視する傾向すら,うかがえる現況である.しかし薬剤耐性菌の出現,さらに,耐性菌感染が注目される現在,特に院内感染に対する問題は重要である.また高度な進歩発展を遂げた外科手術は,麻酔,抗生物質の発達に支えられたものであるが,その基礎には無菌消毒法の向上が重要な意義を持つものである.ここに滅菌消毒に関する再検討の必要性が強調される.
 現在われわれの行う滅菌消毒法は,19世紀後半におけるI. Semmelweis (1861),J. Lister (1864)のクロール石灰,石炭酸による防腐消毒の提唱,L. Pasteurの低温殺菌(1876),E. V. Bergmannの蒸気滅菌の開発(1891)に始まり,蒸気滅菌法はC. Schimmexbush(1899)により現状の基礎が確立された.また,合成化学の発達とともに,防腐消毒法は今日の消毒法を生みだし,さらに酸化エチレンガス(EOG)による滅菌法の開発をみた.核科学の発達は,放射線滅菌への展開が進められている.そして特に完全無菌の要求される近代外科手術が発達したことから,従来の滅菌消毒の理論と方法についても,反省と改良が多くの研究者によって行われてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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