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文献詳細

雑誌文献

病院34巻11号

1975年11月発行

文献概要

労務担当15年の記録めから・5

団交ルール,死文化する就業規則

著者: 藤田栄隆12

所属機関: 1大手前整肢学園 2元 大阪赤十字病院

ページ範囲:P.58 - P.59

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第1話団交はビジネス
 団交というと,管理者はたいてい嫌な顔をする.どうもあまり愉快なものではないようだ.団交とは,労使が対等で労働条件その他について交渉をする場ということになっている.しかし,実際にはあまり「対等」とはいえないようなケースが多い.どちらかというと労働者側が衆をたのんで,使用者側をつるし上げる場といったイメージが強い.
 私が労務担当になった頃は,300人近い従業員が,鉢巻をしめこんでゴザの上に坐りこみ,口々に使用者側委員,特に院長や副院長,事務長などを口汚く罵倒し,大いに気勢をあげていたものである.これでは正直のところ,まともな交渉ができるはずはない.といって,やみくもに団交を拒否すると,労組法第7条とかで「不当労働行為だ」ときめつけられる神もっとも,人によっては,組合員にじかに真意を伝えることのできる格好の場だなどと人を喰ったようなことを言う人もいるが,通常の神経の持主には,いささか耐えがたい雰囲気である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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