文献詳細
文献概要
精神医療の課題
慢性分裂病か分裂病後遺症か
著者: 金子嗣郎1
所属機関: 1東京都立松沢病院
ページ範囲:P.75 - P.79
文献購入ページに移動入院中心から地域中心への流れのなかで
精神医療の転換,すなわち入院中心主義から地域中心主義への転換が叫ばれてすでに久しい.
このような入院中心から地域中心への転換は,精神医療において始まったというよりは,むしろ精神科以外の一般科(と呼んでおく)に始まったものであり,またわが国において叫ばれ始めたというよりは,むしろ医療の組織化がすでに進んでいたイギリスから始まったのである.昭和38年の日本医学会総会でイギリスのBanksは,入院中心主義から地域中心主義の医療への転換を説いていたが,当時,私を含めて精神科および一般科の臨床医にしても,どれだけその必要性を感じていたかは疑問であろう.
精神医療の転換,すなわち入院中心主義から地域中心主義への転換が叫ばれてすでに久しい.
このような入院中心から地域中心への転換は,精神医療において始まったというよりは,むしろ精神科以外の一般科(と呼んでおく)に始まったものであり,またわが国において叫ばれ始めたというよりは,むしろ医療の組織化がすでに進んでいたイギリスから始まったのである.昭和38年の日本医学会総会でイギリスのBanksは,入院中心主義から地域中心主義の医療への転換を説いていたが,当時,私を含めて精神科および一般科の臨床医にしても,どれだけその必要性を感じていたかは疑問であろう.
掲載誌情報