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それでも病院火災は起こる
著者: 本誌編集委員会
所属機関:
ページ範囲:P.77 - P.77
文献購入ページに移動病院の火災は,注意をされながらもくり返すように発生している.病院は耐火構造でなければいけないことはだれでも承知しているし,現在は消防法などで厳しく規制されている.しかし最近,愛知県がんセンターで火事が発生した.今のところ原因ははっきりしないが,防火構造となっている病院でも火事騒ぎが起こるという事実を見せられたわけである.
国立病院医療センターといえば,わが国ではじめての16階という高層病院である.16階も高いのに火事になったらどう逃げるかが話題となった.病棟の外側にベランダをつけたら,という話もあったという.しかし,ハシゴ車も届かないところからどう避難できるのだろうか.いろいろ議論した末,逃げることよりも火事を発生させないことが前提であるということになった.つまり‘燃えない病院’を作るということである.もちろん,法規に従って熱や煙の探知器やスプリンクラーもつけてある,排煙装置も完備している.しかし,同じように考慮が払われた愛知県がんセンターに火事が起こっているのである.
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