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病院職員のための医学知識・27
交通外傷患者
著者: 平井秀幸1
所属機関: 1済生会神奈川県病院・神奈川県交通救急センター,脳神経外科
ページ範囲:P.66 - P.67
文献購入ページに移動私どもの神奈川県交通救急センターが発足した昭和40年から昭和45年にかけて,交通外傷患者は全国的に増加の傾向が著しくみられましたが,最近の数年間はやや減少の方向にあります.これは,交通戦争時代といわれた,当時のめざましい都市開発,自動車激増の状態が一段落したことと石油問題,不況傾向の現われであると考えられます.また交通安全に対する各個人の安全思想の普及,行政の拡充も交通事故患者減少という好結果の一因であることはもちろんです.
われわれの施設は,済生会病院という一般総合病院に交通救急センターが併設されており,日常,実際に取扱っている患者は,交通外傷のみでなく労働災害,過失,傷害などによる外傷もふくまれています.また交通外傷患者についても,救急処置を要する新鮮例から,受傷から数年を経た後遺症患者まで多彩であるため年々の詳細な統計を出すことはきわめて困難です.
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