icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院34巻5号

1975年05月発行

文献概要

病院職員のための医学知識・29

CCU

著者: 渡辺凞1

所属機関: 1心臓血管研究所付属病院病棟

ページ範囲:P.54 - P.55

文献購入ページに移動
 "CCU"の言葉の意義,またいつ頃からできたのか,歴史的な経過をお話しください.
 CCUとはCoronary Care Unitの略語で,死亡率の高い急性心筋硬塞患者を特別な監視設備をもつ専用病室に収容し,熟練した医師・看護婦が,厳重かつ連続的に監視しつつ適切な治療を行うシステムです.
 CCUは,近年の蘇生術の進歩と,心筋硬塞の死因解明を基礎として発展しました.心臓の働きが止まるのは,心臓が全く動かない心静止,あるいは心臓各部がバラバラに細かく動き,血液が全く駆出されない心臓細動が起こるためです.蘇生術とは,かかる循環停止時に,心マッサージ・人工呼吸を行って,最低限の血液循環を維持しつつ,電気的除細動・薬物などを用い,心臓の収縮活動を回復させる方法です.当初は,心臓を露出しなければ行えませんでしたが,1956年には胸壁上からの電気的除細動が,1960年には前胸壁圧迫による心マッサージ法の有効なことがわかり,除細動器さえあればどこでも即座に施行しうるようになりました.しかし蘇生術は心静止・心室細動発生後,1-3分以内に行わなければ成功は難しく,心リズムは回復しても,循環遮断に弱い脳に傷害が残ります.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら