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連載研究・1
病院と騒音
著者: 原素行12
所属機関: 1病院管理研究所 2元都立広尾病院
ページ範囲:P.93 - P.97
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——病院騒音防止の動向の展望——
騒音が人の生活および生活機能に及ぼす影響については,今さらこれに論及するには及ぶまい.原則的には,病院の場合においても同じことが言えよう.しかし,特に「病院と騒音」なる主題の下に一文を草するゆえんは,病院機能の複雑性と特殊性とに鑑み,病院医療活動の正鵠を期する課題のひとつとして,これに応えんとすることにある.すなわち,病院の近代的管理の動向に歩調を合わせて,展望のかたちで号をすすめる.
新しい動向とは革新の歩みであるが,一概に従来の軌跡を無下に斥けることはできない.ここに病院機能の特殊性がある.ただ問題の焦点として指摘されることは,フィロソフィーの如何にある.これを一言にて尽せば患者とは何ぞやということに帰し,病人そのものを一律に見たり,また取り扱うことに問題があるとされている.一人ひとりの病人はそれぞれ一様ではなく,十人十色というべき相違性の持主である,端的に物を考えると,旧思想では病気を治すということであったが,すでに病院医療に限らず,医療は病人を治すことなりと見つけるに至ったことである.
——病院騒音防止の動向の展望——
騒音が人の生活および生活機能に及ぼす影響については,今さらこれに論及するには及ぶまい.原則的には,病院の場合においても同じことが言えよう.しかし,特に「病院と騒音」なる主題の下に一文を草するゆえんは,病院機能の複雑性と特殊性とに鑑み,病院医療活動の正鵠を期する課題のひとつとして,これに応えんとすることにある.すなわち,病院の近代的管理の動向に歩調を合わせて,展望のかたちで号をすすめる.
新しい動向とは革新の歩みであるが,一概に従来の軌跡を無下に斥けることはできない.ここに病院機能の特殊性がある.ただ問題の焦点として指摘されることは,フィロソフィーの如何にある.これを一言にて尽せば患者とは何ぞやということに帰し,病人そのものを一律に見たり,また取り扱うことに問題があるとされている.一人ひとりの病人はそれぞれ一様ではなく,十人十色というべき相違性の持主である,端的に物を考えると,旧思想では病気を治すということであったが,すでに病院医療に限らず,医療は病人を治すことなりと見つけるに至ったことである.
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