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文献詳細

雑誌文献

病院34巻8号

1975年08月発行

病院私論・8

地域医療計画(4)—救急診療(救急専門医の必要)

著者: 守屋博

ページ範囲:P.61 - P.61

文献概要

この10年の移り変わり
 夜間診療は必要かどうかの問題だが,たとえば,糖尿病の患者が昼勤の都合で,夜間診療をしてほしいといっても,病院側からすれば,夜間に医師だけでなく,検査技師や看護婦まで動員するのは不自然だし,採算に合わない.したがって,よほど夜の需要の多いところでないとできない.そこで,多くの場合,一般的な病気については,夜間は全部断ることもやむをえない.しかし,救急患者はそうはいかない.したがって,夜間診療の問題はけっきょく救急対策をどうするかの問題だ.ただし,場所によっては夜間専門も商売になることもある.
 病院に余裕のある時代には,医師の片手間で救急はカバーできた.しかし,最近のように夜間の救急患者が増えてくると,医者は参ってしまう.特にそのために専門医を雇うのも大変だから,夜間の患者は断ろうという空気になってきた.この10年のことだ.以前は夜間診療は昼の収入源プラスαと考えられていた.職員の負担にならない程度しか患者が来なかったからだ.そこで夜間の患者は好ましい客から好まれざる客に逆転してしまった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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