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雑誌目次

雑誌文献

病院35巻12号

1976年12月発行

雑誌目次

特集 「社会の声」を聞く 座談会

病院医療への批判と要望

著者: 大渡順二 ,   中島みち ,   青柳精一 ,   石原信吾

ページ範囲:P.18 - P.25

 「社会の声」をいかに取り上げるかは,病院医療を進める中で,極めて重要な課題ではないだろうか.この座談会では,医療問題に関心を持たれ,見聞も知識も豊富な方々にお集まりいただき,現在の医療問題についての批判や要望を,医療を受ける側の「なまの声」として,お話合いいただいた.

「社会の声」と医療人の提言

「三つの提言」

著者: 山崎健

ページ範囲:P.26 - P.27

新聞投書欄の声を読んで
 医療制度や病院医療に対する「社会」の要望は多種多様である.ここでは,ここ1年間に新聞に掲載された「読者の声」を,「社会の声」の典型として,抽出分類してお送りし,医療人としてこれをどう受けとめられるか,ご執筆いただいた.なお,誌面の都合で「声」は割愛した.

開かれた医療の場を

著者: 佐久間淳

ページ範囲:P.27 - P.28

 編集部から「社会の声をきく」という変った企画で,医療人としてそれをどう受けとめるべきかについて,意見・感想を求められた.相当気の重い感じがするが,与えられた課題を(1)医療構造,制度,行政のあり方,(2)看護サービスと看護婦問題,(3)医療の利用方法に分けて考えてみたい.これらは基本的には一体的な問題であり,相互に絡み合って問題をさらに複雑化し,鮮烈にしているのである.

医業の公共性の明確化

著者: 薗部雅一

ページ範囲:P.28 - P.30

高医療費への苦情
 「社会の声」として提供された7名の方の声を要約すると,高医療費に対する苦情につきる.
 国民皆保険制度下にありながら,この苦情が生じる直接の原因として,差額(3件),付添,過剰投薬,チップなど,主として給付外不当要費を指摘している.また,間接原因には,医歯学系の過大な教育要費(3件),看護婦不足などをあげている.水まし請求を指摘した声もあるが,不正事実は躊躇するところなく,「天の声」として摘発し,処罰の対象にすべきではなかろうか.問題は,法制と現実とのギャップに起因する不当なケースを,いかに是正するかということであろう.「社会の声」は,当面の対応策として,保険料,診療報酬の改訂を提言しているほかに,保険制皮,看護制度の抜本的な改革から,医療国営という大問題まで,提起している.

救急医療対策への提言

著者: 新村明

ページ範囲:P.30 - P.31

 従来救急医療と言うと,交通事故を筆頭に,外科的処置を要する患者が大半をしめていたが,近年急病関係が激増し,このため救急指定病院においても,従来までの外科を中心とした医師の編成では対応できなくなり,体制の転換を迫られてきているのが実状である.
 休日,夜間に問題が多く発生しているのは,われわれ医療担当者としても誠に残念なことであり,休日,夜間の救急体制を早急に確立しなくてはならないが,救急医療体系そのものが全くできていないということから始まって,未解決のことが余りにも多すぎるのである.しかし一方,時間外の救急患者として訪れる約半数は,救急とはいえないものであるというデータも出ており,さらにわれわれの病院の統計では,本当の意味での救急患者は約30%にしか過ぎず,この点にも大いに問題がある.これは国民全体の問題として,真剣に考えなくてはならない.

出来高払いの矛盾—薬品公害の真因を考える

著者: 大島民郎

ページ範囲:P.31 - P.32

 某月某日,薬局のそばの柱にもたれて一人の老女が泣いていた.どこか腹でも痛いのかと思い,近寄ってみると,
 「まあ聞いて下さい.ここの先生は不親切ですよ.私がどんなに頼んでも注射をしてくれないのです.それにおクスリもこんなに少ないし,他の病院に行っているお友だちはどんどん注射をしてもらっているし,それにおクスリもどっさりもらっている.それを考えるとホントにくやしくてくやしくて……」という始末,まさにあぜんとしたが,これが今の患者の一部に見られる「クスリ信仰」の典型的な一例である.

アンケート

患者の声と病院

著者: 大塚暢 ,   沖山俊雄 ,   小口源一郎 ,   嘉戸達也 ,   島田妙子 ,   高橋トモエ ,   高原敏夫 ,   田中新三 ,   村田明子

ページ範囲:P.33 - P.39

 病院では,患者の不満や要望などを聞く場や機会を持っているであろうか.また,それらの要望をどう受けとめ対処しているであろうか.ここでは,アンケート形式によって,院長,看護婦,事務長などにお応えいただいた.

資料・1

日本医労協・患者アンケートの結果と特徴

著者: 堀幾雄

ページ範囲:P.40 - P.42

 医労協では,患者へのサービスと医療の向上を目指して,昨年10月上旬より下旬に向けて,患者へのアンケートを行った.この資料はその中間報告である.なお,本資料は『医療労働176号』(日本医療労働組合協議会発行)より転載させていただいた.

資料・2

末期患者に対する臨床医の行動様式—ナースの立場からの客観的考察

著者: 結核患者心理協同研究班

ページ範囲:P.43 - P.45

 医師は入院患者にどのように接しているであろうか.この資料は,同じ医療の場で働く看護の立場からの,医師の態度に関する現場のレポートである.なお,この報告は,同研究班の「末期患者に対する臨床医の行動様式についてのナースの立場からの客観的考察」より抜粋,転載させていただいた.

事例

大学病院における投書箱の声

著者: 田嶋文雄 ,   杉山晴比古

ページ範囲:P.46 - P.48

 患者さんの苦情処理については,全国名病院ともそれぞれ苦慮されていることと考えますが,以下,私どもでのアンケート処理について紹介します.

グラフ

全職員の協力で救急医療を推進—熊本赤十字病院

ページ範囲:P.9 - P.14

 熊本赤十字病院は,昭和25年以来,市内の繁華街の一角で地域の住民の一般診療を中心に進めてきたが,昨50年5月に300床の総合病院として新しく発足した.
開院以来1年余りであるが,その救急医療センターは地域の要請に応え,24時間体制をとり,熊本県の救急医療に重要な役割を果たしている.(本号掲載,松金秀暢先生ら執筆の「熊本赤十字病院における救急医療の現況」と併せご覧下さい)

全国公私病院連盟会長に就任して4か月—所沢中央病院院長 五十嵐正治氏

著者: 西田重雄

ページ範囲:P.16 - P.16

 会長は東京に生れ,学習院から東京帝大医学部を昭和8年に卒業,国立伝染病研究所に奉職中に軍医として応召,解除後は北京同仁会病院に勤務し,昭和22年6月から国立所沢病院副院長,院長心得を歴任ののち32年7月から社会福祉法人多摩済生病院長に就任,現在は同病院の理事長である.
 所沢中央病院は,純個人立病院の苦労を身をもって体験するために同氏が独力で39年に完成して院長となっている.

ホスピタル・トピックス 地域医療

安房医師会病院地域医療部の活動

著者: 梅園忠

ページ範囲:P.39 - P.39

 安房医師会病院は昭和43年から安房郡住民の胃集団検診を始め,9年目の検診も終結に近づいたが,昭和50年度までの8年で延7万名余を検診し,実数では40歳以上郡民の33%に当る2万3,000余名を数度にわたり検診したことになる.その間,発見胃癌は191名,指導した潰瘍性疾患は延2,350名であった.
 シーズンオフにはシナリオ書きから始めて病院職員を俳優に,市役所の保健課員もスタッフに加えてロケを行ったり,病理標本を使用したりしてトーキーのPR映画を作った.3月になると,これを持って郡内百数十か所を講演して巡った.役場の人も地元の医師も出席してもらう.そして4月から12月まで巡回検診が行われるのだが,順次間接フィルムは千葉大の専門グループに読影してもらい,要精検者は医師会員による精検説明会の後,医師会病院のバスで迎えに行き精検を行う.必要に応じバイオプシーまで行い,手術,術後病理も一貫して医師会病院で行う.

トピックス

アメリカの病院医療の現況—AHA理事長Cathcart氏に聞く

著者: 落合勝一郎

ページ範囲:P.49 - P.49

 アメリカ病会協会理事長のCathcart氏(ペンシルバニア病院長)が,10月2日,夫人および令嬢とともに日木を訪問された.アメリカ病院協会より連絡があったので,早速,短い滞在日程のなかから短時間を日本病院会のために割いていただき,アメリカにおける医療について講演していただいた.これはその要旨である.

予防医学センター竣工

著者: 編集室

ページ範囲:P.83 - P.83

 東京・三鷹の医療法人財団慈生会野村病院(野村秋守院長)は去る11月3日,予防医学センターの開所式を行い,8日からオープンした,同病院は昭和27年創立,40年頃から人間ドック,健康診査など予防医学に力を尽してきたが,今回の予防医学センターの設置でさらに合理的な予防と治療を行っていくという.
 野村院長が「私はかねがね"人間ドック"や"精密検査"のため来院される方方が病人と同居することに疑問を持っていました」と述べたように予防医学センター発案の端緒は健診にくる健康人と病人が同じ所に寝起きすることの疑問にあり,また予防医学は地域医療そのものという院長の確言もあって健康入のための健診センターが作られることになった.

院内管理のレベル・アップ 労務 労務担当15年の記録から・18(最終回)

頭痛のタネー「ニッパチ」

著者: 藤田栄隆

ページ範囲:P.50 - P.51

 このシリーズをはじめて,早や1年半近くになる.その間,労使関係について,あるいはまた労務管理について,乏しい経験の中からではあったが,これと思われるような問題を拾い上げて,とりとあもなく書き綴ってきた.それらが果たしてどの程度お役に立ったかどうか,はなはだ心もとない.
 そして,いよいよ今回は終章.その終章を他ならぬ最大の難物「看護婦問題」でしめくくることとしたい.

会計・経理 会計・経理事務の問題点・4

保険支払者への請求額と収入額の差異の処理(2)

著者: 山崎信夫

ページ範囲:P.52 - P.53

診療報酬請求額のたてかた
(前号よりつづく)
社会保険支払基金関係
 他県の場合他府県国保の受診患者が多岐にわたる場合,図5を用いると便利である.債務者は各都道府県の国保団体連合会であり,それを市町村別に,さらに個人別に記入を行う.ほとんどの国保連合会が,コンピュータ処理により市町村ごとに決定通知がなされるので突合が容易である.最小限には何県の国保連合会よりいくら入ってくるかの予定額は把握しなければならない.また場合によっては,県連合会より一括支払いではなく,市町村ごとに月を異にして,入金してくるケースもあるので十分にチェックできるような対策を講ずべきである.
 その他(図6)労災については各県の労働基準局,地方公務員災害法については各県地方公務員災害補償基金,国家公務員災害補償法は各省ごとに請求額をたてなければならぬ.

医事 医事業務レベルアップのためのポイント・3

医事職員の研修—新人教育と現任職員教育のポイント

著者: 加藤雄二

ページ範囲:P.54 - P.55

 自動車を販売する企業では,営業マンのために顧客から問われるであろうあらゆる質問に答えるため,仕様,性能,材料,居住性等に関するぶ厚い説明書を用意している.またある企業では,新入職員のために1か月にもわたる合宿研修会のプログラムを用意している.
 ところがわが病院界では,こうした例はわずかな例外を除き,あまり聞かない.一般企業のようにはもうける必要がないからであろうか.または業務的にそれほどの必要がないからであろうか.

放射線 放射線部門の管理・4

放射線事務管理の合理化に対するEDPS化の現状

著者: 荻原淳

ページ範囲:P.56 - P.57

 現代社会は日々発生する複雑で莫大な情報をいかに効果的に利用するかが業務活動を活発にさせる鍵となってきている.このことは病院業務においても論外ではなく,近時コンピュータを利用することにより,情報の整理と利用を適切かつタイムリーに行い,業務の合理化を図ろうとする努力がなされている.

ハウスキーピング ハウスキーピングのすすめ方・4

リネン洗濯の問題点

著者: 伊瀬寿子

ページ範囲:P.58 - P.59

 病院における洗濯業務は,運営面から次のように分けられる.
 1)自営. 2)院内施設を業者に利用させ,洗濯を委託する. 3)院外の病院専用の施設に単独,あるいは数病院が洗濯を委託する. 4)基準寝具・基準病衣,ユニホーム,おむつ,タオル等業者の品物を,洗濯・修理代をも含めて借りる,いわゆるリース方式である.

イギリス精神医療の旅(最終回)

おいしかったもの

著者: 金子嗣郎

ページ範囲:P.60 - P.61

 早いもので,「イギリス精神医療の旅」の連載をはじめて,もう1年たってしまった.まだまだ未消化の資料も沢山あり,書きたいことは山ほどある.たとえば,イギリスの精神病院の不祥事件のケースレポートなどもそのひとつである.また連載中の小項目についても,書き残したことなども多い.しかし,そろそろ肩のこった読者もおられようし,筆者もちょっと遊びたくなったので,お許しを願って,ヨーロッパでおいしかったもの,すばらしかったことなどを書かせていただき,連載を終りにしたい.

病院図書館

—R.J.リフトン,E.オルソン 著 中山善之 訳—「生きること死ぬこと」/—若松 栄一 著—「アメリカの医療の横顔」

著者: 小池順子

ページ範囲:P.62 - P.63

精神歴史学の視点から死を分析
「死」をどう考えてきたか
 現代社会において,死という問題は大変な注目を浴びている.その証拠に国の内外で死を主題にした書物が数多く刊行され,学会やマスコミ,そして日常の会話の中にも死ということに関することが,しばしば問題にされている.
 本書は,死一喪われた季節,死と生のサイクル,象徴的な不死,死の歴史,核の時代,死と再生:創造者としての生存者の6章にわたり,現代における死の問題を,60年代の革命的な雰囲気をもとに,生と死の連続性に関する心理学的な実例を通し精神歴史学(心理学と歴史の融合)の視野に立って分析し記述したものである.生と死を,古来から人間はどのようにとらえて来たか,そして今世紀にもたらされた原爆やベトナム戦争などの危機によりどのような変化がもたらされたかを,フロイトやユングの考えを基盤に,人類の歴史全体を通して人間の考えたさまざまな解答を述べている.

—M.D.ハイフェッツ,C.マンゲル 著 太田典礼,和田敏明 訳—「死を選ぶ権利(脳神経外科医の安楽死の記録)」

著者: 綿貫恭子

ページ範囲:P.63 - P.63

人間らしい生き方,死に方とは
生命の価値
 著者はアメリカの著明な脳神経外科医である.彼は日頃多くの患者に接する体験の中から「死ぬ権利」は「生きる権利」と同等の効果を持つと述べ,それに基づく多くの事例が書かれている.
 人間の神聖は人間性素質を備えた存在の神聖を意味し,人間の生命は同情,愛情,柔軟など人間の属性を反映する.だから軽々しく生命を維持することは生命を非人間化することであり,生命を"人間らしさ"からひきはなすことは,生命の価値を低下させることである.延命をはかるという平凡な言い方は,不道徳だと医師の保身術を批判する.

病院建築・90

町田市民病院の設計

著者: 網代友衛

ページ範囲:P.65 - P.70

 この病院は,都下西南部に位置するベッドタウン町田市の公的医療機関である.開設は以前にさかのぼるが,その後,数段階の整備拡充が行われ,その間,本格的に病院らしい機能をもったのは,昭和42年にRC造の建物が完成して以降と考えてよい.しかし,診療圏域人口の急激な増加,疾病構造の変化による医療需要の増大や,医療技術の拡大・高度化に対応し切れない医療供給上の矛盾に苦悩を続けてきたわけで,自治体病院の典型として多くその例を見ることができる.
 このような情勢の中で,当然のことながら,市民側からの施設整備拡充の要望が漸次高まってきた.昭和47年には,市長の諮問機関として,「町田市立中央病院再建審議会」が発足し,市民の医療機関としての施設のあり方,病院運営の健全化などにつき約半年にわたって検討が続けられた.昭和48年2月に答申が行われ,増改築計画の早期実現に努力すべきことを勧告している.

救急医療

救急医療と取り組んで1年半—熊本赤十字病院における救急医療の現況

著者: 松金秀暢 ,   楠本行彦 ,   米満弘之

ページ範囲:P.72 - P.77

 救急医療施設の整備は今や緊急の課題となっているが,現状では,その不採算制,職員の過剰労働など問題はあまりに多い.救急センターを併設して1年半,病院ぐるみで,これと取り組んできた熊本日赤の経験を通して,救急医療のこれからの問題点に照明をあてていただいた.

中国の旅・2

針刺麻酔

著者: 伊藤誠

ページ範囲:P.78 - P.79

宣武医院
 脳外科で有名な北京の宣武医院については,不勉強な筆者でも前から名前だけは知っていた.天安門広場を中心とすれば,市の南西部,宣武区にある.脳神経疾患に重点をおいた病床数500の総合病院で,建てられたのは1958年である.500床中,140床は脳神経外科に,30床は神経内科に当てられている.診療科としては,この2科のほかに一般内科,一般外科,婦人科,小児科,耳鼻咽喉科,漢方医科があり,外来患者はここでも1日2,500から3,000人あまりある.
 簡単な挨拶と説明の後すぐ手術部へ導かれる.手術室は8室,水曜以外は毎日手術が行われ,脳腫瘍だけでも年間500例はあるという.身支度を整えて手術部に入ると,3つの部屋で3例の脳手術が同時に並行して行われている.

医療への提言・6

「医療保障」の活路を求めて

著者: 水野肇

ページ範囲:P.80 - P.83

 「医療保障」というのは,いまや,どこの国でも避けて通れない問題となりつつあるようだ.アメリカのような国でさえ,国民健康保険を真剣に検討しており,医療を自己負担で払うことのできる人々は,いまや国民全体のほんのひとにぎりくらいしかいない.というのは,医学が進歩し,医療が重装備になり,かつてのようにわずかの検査と,経験によって成立した勘による診療がなくなってしまったからである.「病院」は,生産工場よりもずっと複雑で高度のメカニズムをもち,それを駆使することのできる医師を養成するためには,10年以上の歳月を必要としている.
 かつて,医療の世界では「保障か保険か」ということが議論されたことがある.この議論の中心議題は,国がすべてに責任をもつナショナル・ヘルス・サービスの方式がよいか,それとも組合保険や民間保険(1部自己負担)によってまかなうのがいいのか,その方式をめぐって行われた.これは必ずしも結論はでなかったが,端的にいえば,前者は税金中心,後者は掛け金中心といった色分けもできた.

医療と福祉(最終回) 座談会

医療と福祉の一体化を求めて—連載を終るにあたって

著者: 大工原秀子 ,   川村佐和子 ,   古川圭助 ,   西三郎 ,   川上武

ページ範囲:P.85 - P.93

 医学の「進歩」,医療の高度化の中でいつの間にか置き去られた人間の問題をとらえ直そうというのが,この欄のねらいだった.連載を終るにあたり,主に医療の側から福祉的問題に取り組んでいる方々にお集りいただき,福祉の観点をどう医療の中にとりこみ,統一的にとらえていくべきかを語っていただいた.

私的病院運営のポイント

医療施設にどのくらいお金をかけるか

著者: 林文彦

ページ範囲:P.95 - P.97

 私的病院においてどのような器械の買い方をするか,その基準線のようなものがポイントと思われるが,実際には,その病院の地域差,医療に対する管理者の姿勢,または器械を実際に取扱う従業員の数や質などに大きく影響されるという.そこで今回は眼科単科病院であり,器械を買うにあたっては,綿密な計算よりも趣味としての因子が強いと林院長が述べるように特殊性はあるが,林病院の例を紹介していただいた.

レセプトを読む・12

ベッドタウンの総合病院の1例—武蔵野赤十字病院

著者: 東義晴

ページ範囲:P.98 - P.99

病院の概要
 所在地:東京都武蔵野市境南町1-26-1
 規模:病床数568床,外来患者1日平均1,100名.

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「病院」 第35巻 総目次

ページ範囲:P. - P.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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