icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

病院35巻4号

1976年04月発行

雑誌目次

グラフ

地域住民とともに歩んで20年—急成長を遂げた秋田市・中通病院

ページ範囲:P.9 - P.14

 1診療所から大病院へと成長を遂げていくケースは決して少なくないが,この病院ほど急テンポの成長を遂げた病院も珍しいだろう,しかも,その急成長が地域住民の意志に支えられているところに,この病院の特色をみることができる.

卓抜なリーダーシップで今日の病院を築く 秋田市・中通病院長 瀬戸泰士氏

著者: 山口巖 ,   早川ミツオ

ページ範囲:P.16 - P.16

 中通病院20年の歴史は,そのまま瀬戸泰士院長の半生記である.昭和28年東北大学医学部卒,第一外科教室で臨床外科医として開眼するや,「働く人びとの医療」の旗印を秋田の地に掲げたのは若冠26歳の時であった.それから20年,当初数床の診療所は今や医師40余名を擁する340床の大病院に変容している.この奇跡的とも言うべき発展の秘密は,氏によれば「全職員の情熱と,とりわけ自分たちの病院をという働く人びとの情熱」にほかならないという.それは真実であろう。そしてその情熱をはぐくみ実らせたものこそ瀬戸院長の卓抜なリーダーシップであった.発展する集団にとって大衆の熱意と良き指導者とは文字どおり車の両輪であることが教えられる.
 瀬戸院長は比類ない洞察力と実行力の持主であるが,特筆すべきは氏の心底に脈打つ天与のヒューマニズムである.中通病院には心臓血管科,脳神経外科,神経内科などが国公立病院にさきがけて開設されており,地域の恩恵は計り知れない.これも氏がそのニードを膚で感じ,人手不足の折に若手医師の内地留学を断行した結果であり,医療を常に患者サイドから眺める氏の姿勢のたまものである.

ケース・レポート 院内業務のシステム化

ミニコンピュータによる病院管理—その可能性と限界

著者: 高野昭

ページ範囲:P.17 - P.22

 現在,日本の病院で使われているコンピュータは,数百台に及ぶものと考えられる.その使用目的および適用業務は,それぞれの病院によって異なり,きわめて多様である.しかし,大別すれば,事務管理サイドから入ったものと,純医療サイドから入ったものに分けることができよう.
 病院がコンピュータを導入するさいの考え方も,大きく二つに分類できると思う.一つは評価のある程度確定したものを,プログラムごとに導入するものである.他はコンピュータを道具として,病院運営の合理化を図ることを目的とする,いわゆるトータルシステム指向のものである.

脳卒中診療

秋田県立脳血管研究センターにおける脳卒中診療の体制と看護の実際

著者: 沓沢尚之 ,   久保静江

ページ範囲:P.23 - P.27

脳卒中治療の原則
 脳卒中に安静が望ましいことは,だれしも異論はないが,あまりにも安静第一主義に固執して,倒れた場所で往診治療に終始することは決して得策ではなく,むしろ慎重な配慮のもとに専門病院への早期移送を行うべきであることを私どもは常に主張してきた.脳卒中の死因は必ずしも脳死によると限らず,呼吸器,泌尿器系の感染症,消化管出血,水電解質代謝異常,誤嚥による窒息など種々の合併症によることが少なくないが,早期に病院に収容することは,これら合併症の予防,治療に有効であることはいうまでもない.のみならず,従来内科的治療では救命困難な重症頭蓋内出血の中には,早期に外科的治療を行うことにより救いうるものがあり,早期診断,早期治療の重要性が最近とくに強調されてきた.

病院給食・1

岡山済生会病院における給食管理の実際

著者: 川田順

ページ範囲:P.28 - P.31

 病院給食は入院サービスの重要な要素であり,その成否は,医療と経営の2面に直接関係している.近年,給食管理は,しだいに複雑広汎になってきた.すなわち,治療の一環としての食事療法の重要性を認識し,かつそれを重視し個別的配慮をした,こくのある給食が要求される一方,経営的には食材料の高騰,人件費を初めとする諸経費の上昇などで,一層の節約と合理化が要求されている,そこで,限られた経費の中で最大限に工夫し,しかも病態に適した,患者によろこばれる,いわゆる患者本位の給食を主眼に給食管理をしてはいるが,内在する諸問題の解決はなかなか容易ではない.今回はそれらの解決への足がかりとして,当院で実施している臨床栄養士システムと中央患者食堂の運営について述べてみたいと思う.

病院給食・2

旭川赤十字病院における栄養指導

著者: 水上勝太郎

ページ範囲:P.32 - P.37

 当院では,栄養管理強化の一策に外来栄養相談室を設置して,栄養指導業務を専門化している.すなわち専任栄養士2名が常勤して,治療食患者のベッド訪問による指導と,外来患者の指導を分掌している.周知のごとく,栄養指導は栄養士業務の基幹をなすものであって,そのあり方は単に家庭や地域における食生活の改善のみならず,国民の健康増進と疾病予防を意図すべきものと考えている.
 さて,稿の初めに紹介しておくが,昭和42年以来,現在までの長い年輪のなかに栄養指導をとおして患者との深い心の交流が生まれて,大雪山連峰にちなむ「大雪会」と称する患者同好会を結成して9年目を迎えている.本会運営は,当院の栄養指導担当者業務の大きなウェイトを占めるものである.しかしながら,医療における栄養指導はことさらに特殊性をもつものであり,社会活動の理念のもとに実践することによって治療の一環としての食事効果が増大するものであることを経験し,関係者一同喜んでいる.

組織と人間

人間関係この複雑なもの—放射線科における人間関係を考える

著者: 西田義夫

ページ範囲:P.38 - P.42

 人間関係と一言でいっても,個々の社会人の顔が違うように,それぞれ相手のあることである.
 ましてや,さまざまな身分や職種の人が協同で働いている場合,職場の人間関係は複雑をきわめるだろう.

ホスピタル・トピックス 施設

病院とビル管法

著者: 児玉威

ページ範囲:P.42 - P.42

 最近のビルはますます巨大化し,その用途も多様化しつつある.近代ビルの特徴は密閉された人工環境のなかにあって,環境の制御を中央で一元的に行っていることである.したがってそれらのビル内に生活し,また利用する人びとは,自分の意志でこれを左右することはできない.これらの情勢を背景として,昭和45年,多人数の利用する建築物を対象として,「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」いわゆるビル管法が制定され,ビル衛生が厚生行政の線にのることとなった.そして延べ3000m2以上のビルについては環境衛生技術管理者をおき,ビルの室内環境を,基準に従って衛生的に,また快的に維持管理しなければならないことになっている.
 ところで近代病院も巨大ビルの一つであるが,現在,共同住宅,工場などとともにビル管法の対象から除外されている.しかし,その精神としては,現在,対象外とされているビルも環境衛生管理に努力すべきことはいうまでもない.病院の医療は,診療サービス,看護サービスおよび生活サービスの3要素から構成されているが,このうち生活サービスは一般にハウスキーピング部門の業務範囲とされている.

建築

病棟の居住性とICU

著者: 伊藤誠

ページ範囲:P.69 - P.69

 最近のアメリカの病院を見て気付くことは,病室の小割り化傾向であろう.たとえば,図1はソルトレーク(ユタ州)にあるセントマーク病院の病棟の一部であるが,ここでは病室が2床室1室を除いてすべて佃室で構成されている.そして全室が便所・シャワー付きである.この病院は特に富裕階級だけを対象にした特殊病院だというわけではなく,ごく普通の地域病院なのである.院長の説明では,相部屋の場合に必要な患者の年齢・性別に対する配慮がいらないからベッドの回転率が高くなり,経常上はかえって有利なのだという.
 その点は別にしても,療養生活における居住性という面で,個室の方が相部屋より好ましいことは言うまでもない.話し相手がほしくなったらロビーに出ればよいのである.各室のドアは看護婦の都合で開け放しておくこともあるが,必要に応じ患者の側から寝たまま閉めることもできる.そのためのリモートスイッチが各ベッドわきに組み込まれている.

精神医療・救急医療

東京都の精神科救急医療体制

著者: 金子嗣郎

ページ範囲:P.43 - P.48

 救急医療体制の確立は,わが国医療の抱える大きな課題だが,民間病院にその大部分を負う精神医療においては,とりわけ問題が多い.
 昨年春の東京都における民間病院夜間救急拒否という深刻な事態を経験した筆者は,ロンドンで一女性が収容される過程をつぶさに観察し瞠目する.

一頁評論

思い違い

著者: 越山健二

ページ範囲:P.49 - P.49

 世に「思惑違い」,「思い違い」という言葉がある.これは「見当はずれ」,「見当違い」ということで,最初に思い,計画し,実行してきたことが,全く目的からはずれていたときに使用する言葉のようだ.今日のいろいろな社会事象をみていると,何か世の中すべてが「思い違い」をしているように思われ,この言葉が実感として強く胸にこたえるのである.
 昭和36年,池田内閣が所得倍増を唱え,当時13兆7,000億円のGNPが,10年後の昭和45年には4倍の73兆円にはね上り,50年にはさらにその2倍の138兆円になろうとしているという.当時は,GNPの増大こそは日本の生きる道であり,国民の幸福,繁栄につながり,求める人間の欲求に直結するものとして誰もが疑いを持たないようであった.これが昭和48年の石油ショックを契機にして,一挙に反省を求められ,思い違いであり見当はずれであったことを,みんなが考えさせられることになったようである.

主治医の必要性

著者: 長谷川恒雄

ページ範囲:P.64 - P.64

 自然科学の進歩は,包括されていた学問の領域を専門分化へと導き,各種,各様な専門分野が生まれてきた.医学も同様のコースをたどり,内科学でも循環器,呼吸器,消化器,血液,神経,感染・アレルギー,老人,内分泌,代謝,腎など種々の学会が設立された.総合病院においても各種の専門内科が配置されてきており,将来はさらに細分化される傾向である.内科学だけでなく,外科学,眼科学,耳鼻咽喉科学その他すべての治療医学も同様である.このまま進めば数十ないし百を越える専門診療科が出現するに違いない.
 専門診療科が増えることは学問の進歩に連なり,その進歩がよき医療として国民に還元されることになるので,誠に結構なことであり,望ましいことである.細分化した専門診療科が増えれば増えるほど,患者側では病気について選ぶ診療科に関する知識が必要になる,これも医学知識の向上と普及によって解決する方向をとるとすれば,すべてがうまく対応して処置され,問題は専門診療科を地域医療の中で,どのように配置するかという対策だけとなる.しかしこのような方向は円滑に推進できるであろうか.医療は患者のニーズに応じて与えられるものであるが,感冒,気管支炎になれば呼吸器科や感染・アレルギー科を訪れ,胃炎,腸炎では消化器科を訪れる必要がどの程度あるであろうか.

院内管理のレベル・アップ 労務 労務担当15年の記録から・10

"時代の流れ"とあきらめてよいのか

著者: 藤田栄隆

ページ範囲:P.50 - P.51

第1話 憎まれる管理者に
 先年,若くして亡くなられた関西経営者協会事務局長中川俊哉氏は,常にこう言っておられた.
 「組織の中での人間関係において,一番大切なことはスジを通すことであり,人間の心のふれ合いも組織を通じてやることである.管理者たるものは,下の者や労働組合から憎まれたくないというような気持を,はっきり捨てさるべきであり,細かなことでも,見て見ないふりをしていると,それがいつか普通のこととなってしまい,これを打破しようとすると,既得権侵害だなどと言われるようになる.もし,憎まれたくないような管理者がいたら,その人はさっさと管理職を返上すべきである」と…….

施設 施設部門の管理・1

排水管が詰まったときの処理法

著者: 辺見九十九

ページ範囲:P.52 - P.53

 排水管は,いろいろの用途別に,流出する水,汚れた水の排水処理をして,下水本管ヘスムーズに流し込む目的を果たすのが本来の使命である.このような考え方から私は,給水→排水という流れをふまえて,自分が排水管になったつもりで,これまでの経験や,いくつかの事例を加えて,主題を解いて見たいと思うが,ひとつでも参考になれば幸いである.

精神病院 精神病院管理の諸問題・2

精神病院の労働問題(2)

著者: 岩佐金次郎

ページ範囲:P.54 - P.55

ふたつの不満(承前)
 職員出勤退出時刻のタイムカード制を採用した時,最後まで抵抗を示したのは医師であるという話をよく聞く.言い分はいろいろ並べるが,妥当性はない.なかには「医者がそんなことをする必要はない」の一点張りで,他の理由は言わなかった者もいる.また,職員入口は,正面玄関の横手にあるのに,いつまでも正面入口を使っている医者がいた.「医者に側口から入れというのはおかしい」と言う.
 この「医師は,他の職員とは違うのだ」という「言い分」は,勤務生活のなかで多方面に現れてくる.「医師意識」と言いたいだろうが,意識とは,社会的歴史的に規定された理論,思想,見識や感情という意味だから,意識というより,その医者の勤務医であるとの認識に思い至らぬ「未熟性,非社会性」と呼んだ方が当っているが,こうした者が実情として少なくない.

リハビリ リハビリテーションの管理・2

リハビリテーション専門病院の運営

著者: 横山巌

ページ範囲:P.56 - P.57

対象患者に関する問題点
 リハ専門病院の対象患者は本来,すべての身体障害児者および身体障害をもたらす可能性をもつ疾患を有する者であるはずである.しかし,わが国の現実は小児科系,内科系,整形外科系,あるいは関節リウマチ,脳血管障害などの疾患別に別個にリハ専門病院がつくられているのが通例となっている.その理由は多多あろうが,主なものとして次の2点があげられよう.
 第1には,リハ医療のあり方として垂直型(vertical type,Höök)がある故である.すべての身体障害者を扱っていく水平型(horizontaltype,Höök)に対して,垂直型のリハ医療とは神経疾患・リウマチ性疾患など長期の療養を必要とする疾患について,内科的治療・外科的治療からリハ治療にいたるまでの一貫した治療を行ういき方である.この形態は医師が対象とする身体障害の原因疾患に関する知識に富むこと,ならびに経過を追って一貫した治療を行えるなどの点から,患者にとっては極めてメリットの大きいものである.わが国においてもリウマチ専門病院などには長い伝統をもっているものがある.また,新設の場合には,リハ医療に携わる医師は,その疾患群に関連するリハ医学知識を身につければ足りるために,比較的容易にリハ医療に入っていけることとなり,いわゆるリハ後進国においては,受け入れやすい形態でもある.

薬剤 薬剤管理概論とその実際・2

薬剤の購入管理

著者: 岩崎由雄

ページ範囲:P.58 - P.59

 本稿では理論的なことは最低限におさえて,実務的な問題を主として取り上げ,管理全般については,前回(35巻1号)の序論で述べたが,今回は購入管理を中心に記す.

イギリス精神医療の旅・4

統計にみる精神医療の動向

著者: 金子嗣郎

ページ範囲:P.60 - P.61

 イギリスの精神医療の全体的な流れを,主として統計によって眺めてみたいと思う.
 この文中の図は主として,Annual Abstract of Statistics 1973.Psychiatric Hospitals and Unitsin England and Wales.などから著者の作成したものである.

柏原病院からのレポート・5

物に頼りて限りあり,心に頼れば限りなし

著者: 冨田重良

ページ範囲:P.62 - P.63

重装備高度医療機能病院の悩み
 最近わが国病院医療の技術的進歩は,まさに驚嘆に値すべきものがある.次つぎと増・新設される大病院には,最新鋭設備がこぞって導入され,世界の最先端を行く医療行為も少なからず行われている.しかし,その輝やかしい表面とは裏腹に,一歩中に入ってみれば,各種の労働問題,看護婦不足による病棟閉鎖,急増する赤字など,あまりにも数多くの難題が山積しているのに気付くことであろう.いわゆる重装備高度医療機能病院の悩み1)である.
 それは,物に頼って心を忘れていた現代の悪弊の象徴なのでもあろうか.たとえば,有力自治体が,福祉時代の目玉商品として金には糸目を付けずに,大都会に立派な設備の病院を作る.高度医療を希求する医師たちは喜んで集ってくることであろう.しかし,病院は工場とは異なり,感情に左右される人間を主要な構成要素とするシステムなのである.おまけに一般的に言って,医師以外の医療従事者の待遇は粗末である.もし,そこで働く人たちに思いやり,没我,協調などといった「医療の心」が養成されていなければ,そして医師だけがスター扱いされているあり方では,恵まれぬ立場の補助部門に不満がうっ積し,これが労働運動に転化される.かくてこのシステムの円滑な作動が妨げられ,いくら資金を注ぎ込んでも,十分な実効をあげえないというのが実情ではなかろうか.

病院建築・82

高知県立芸陽院

著者: 田口正生

ページ範囲:P.65 - P.68

 本来当院は,隣接地続きにある県立安芸病院の精神科病棟として50床から発足したもので(昭和30年)あるが,その後独立して高知県立の唯一の精神病院として,精神衛生法に基づき運営されてきたものである.隣りの県立安芸病院が,200床の一般病院として昭和47年度に改築計画された際,同時に設計計画されたものである.
 ちょうど石油ショックを受け,安芸病院の工事が難航した上,やっと竣工した安芸病院の移転完了後,古い安芸病院の取りつぶし跡地に建設する順序で建てたため,精神病院の診療運営にはなんら障害はなかった.

レセプトを読む・4

解読の手引き(4)

著者: 尾口平吉

ページ範囲:P.70 - P.73

2.診療行為別分析
2.1収益管理資材管理のための診療行為別統計の作成および活用(この項前号よりつづく)
5)レントゲン診断料レントゲン診断料は病院機能面,採算面とも検査に似た特質を持っているが,全収益に占める比率は,料金そのものが昭和47年以降据え置かれた関係もあって逐年低下し,昭和49年12月(社会医療調査)では全病院平均甲表3.3%,乙表3.8%となった.
 しかしレントゲン装置の開発は急速度に進み,質的にも量的にも機能が高度化してきているので,管理情報としては行為分類表で示したような区分により,その頻度,点数を調査し利用状況を把握する必要がある.

私的病院運営のポイント

経営近代化への脱皮を目指して〔1〕

著者: 長沢一男 ,   荒井潔 ,   武内昶篤

ページ範囲:P.74 - P.76

 結核の斜陽化は,結核専門の病院に深刻な波紋を投げ,ある病院は没落したり,ある病院は一般病院や他の専門病院に転換をとげているが,特に中規模の私的病院の場合,問題はさらに深刻であった.このような状況の中で,いくつかの病院同志でお互いに財務諸表を交換し合い,経営近代化への脱皮をはかった.

研究と報告【投稿】

病院における平均在院日数問題について(1)

著者: 横田吉男

ページ範囲:P.77 - P.81

 病院の平均在院日数問題については,病院管理に関連して従来から専門家によるさまざまの指摘が行われてきているが,まだ広範囲な論議の対象なり大方の関心を呼ぶまでには至っていないように思われる.
 もとより平均在院日数問題といっても単純ではなく,その背後には各々の国の社会経済条件なり医療全体のあり方といったものが横たわっており,諸外国の実態把握や個別のケーススタディなどをはじめ,今後の究明に待つべきものが多い.ここでは,差しあたって利用可能な資料をもとに,わが国の医療供給体制の特色について在院日数という観点から,検討を行ってみることとしたい.

処方せんをめぐる2,3について

著者: 角田信三 ,   伊神義行

ページ範囲:P.83 - P.86

 筆者のひとり角田は,昭和42年病院院内の薬局回りの患者数を中心として,処方せん枚数,調剤数,剤形について調査,発表した.そこで病院管理の断面を論述し,その時点で分析を試みるのも決して無駄ではなく,将来への展望の一助となろうと論述した.
 以来9年を経過した今日,再分析を試み,彼我対照しつつ報告するのでご批判を得たい.

--------------------

第2回日本病院会学会プログラム

ページ範囲:P.87 - P.87

会期 5月21日(金)-23日(日)
会場 川崎医科大学付属病院

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

icon up
あなたは医療従事者ですか?