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文献詳細

雑誌文献

病院35巻4号

1976年04月発行

文献概要

院内管理のレベル・アップ リハビリ リハビリテーションの管理・2

リハビリテーション専門病院の運営

著者: 横山巌1

所属機関: 1神奈川県総合リハビリテーションセンター,七沢病院

ページ範囲:P.56 - P.57

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対象患者に関する問題点
 リハ専門病院の対象患者は本来,すべての身体障害児者および身体障害をもたらす可能性をもつ疾患を有する者であるはずである.しかし,わが国の現実は小児科系,内科系,整形外科系,あるいは関節リウマチ,脳血管障害などの疾患別に別個にリハ専門病院がつくられているのが通例となっている.その理由は多多あろうが,主なものとして次の2点があげられよう.
 第1には,リハ医療のあり方として垂直型(vertical type,Höök)がある故である.すべての身体障害者を扱っていく水平型(horizontaltype,Höök)に対して,垂直型のリハ医療とは神経疾患・リウマチ性疾患など長期の療養を必要とする疾患について,内科的治療・外科的治療からリハ治療にいたるまでの一貫した治療を行ういき方である.この形態は医師が対象とする身体障害の原因疾患に関する知識に富むこと,ならびに経過を追って一貫した治療を行えるなどの点から,患者にとっては極めてメリットの大きいものである.わが国においてもリウマチ専門病院などには長い伝統をもっているものがある.また,新設の場合には,リハ医療に携わる医師は,その疾患群に関連するリハ医学知識を身につければ足りるために,比較的容易にリハ医療に入っていけることとなり,いわゆるリハ後進国においては,受け入れやすい形態でもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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