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特集 医療法と病院
戦後の病院と医療法の功罪—医療法と病院の30年
著者: 吉田幸雄12
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学 2元厚生省病院管理研究所
ページ範囲:P.19 - P.24
文献購入ページに移動この現象は第2次大戦後の顕著な歴史的現象である.時あたかも終戦直後の昭和23年に医療法が制定せられ,わが国としてはじめて病院と診療所を法制約に機能分化し,病院の発展の基礎が与えられたことは意義が深いといわねばならない.しかしその後の30年間の情勢の変化にもこの方法は良く対応しえたものかどうか,そして今後もこれで良いかというと多くの議論がある.この法は医師法・歯科医師法等の医療関係者の身分法に対し,医療の施設法といわれるものであるが,その内容には病院と診療所のあり方および公的医療機関問題等を含めた医療提供の仕組みに関係した問題を含んだものであるから,医療制度の基本問題の旧民的コンセンサスが前提とならねば根本的改革はありえない.
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