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中国の旅・3
熱烈歓迎
著者: 伊藤誠1
所属機関: 1千葉大建築学
ページ範囲:P.70 - P.71
文献購入ページに移動中国旅行の全体を通じて,大体,午前中は病院見学,午後は農村や工業団地,そして住宅・学校・図書館・工場,または名所旧蹟めぐりといったスケジュールであった.朝はたいてい8時から8時半に迎えの車が来る.普通ならまだしも,前の晩必ずといってよいほど何か行事があるから,日頃あまり早起きでない人間にとっては結構つらい.改めて日記を繰ってみると,各都市ごとに必ず行われる歓迎晩餐会のほか観劇・映画等々で,全く自由な夜は半月の間にわずか1晩だけであった.
さて今日は北京市児童医院の見学である.ここは1953年から55年にかけて建設された小児専門の病院.言うまでもなく,15歳未満の子供を対象とする,北京市には,このほかにも区立の病院(120床程度)がいくつかあるらしいが,ほかの都市,たとえば南京や上海でも児童医院は必ず見かけた.わが国最初の小児専門病院として東京世田谷の国立こども病院ができたのが1965年であるから,この方面で日本がいかに遅れていたかを改めて思い知らされる.
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