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医療費,薬剤費,救急体制,医療過誤,副作用事故さらには人体実験問題など,医療全般にわたる深刻な問題が近年あいついでいる.その中でも精神医療の分野は,以上の問題に加えて,とりわけ,直接的に人権の問題がからんでいる.具体的にはその精神医療の実践の場としての精神病院が,これらの諸問題の批判の対象となっている.
これらの批判は個別の病院や症例について,当の病院の姿勢や表面化した過誤を告発,追及する形をとることが多かった.この傾向はここ1,2年のあいだに,個々の症例の診療とくに薬物の使い方,看護,精神療法のあり方,そのための教育,実習のあり方というミクロな面の見直しへと深化されつつあり,一方マクロな方向では,不祥事件が発生する背景,それを許す教育や精神医療の社会的システムのあり方の検討へと視野が広がってきている.
これらの批判は個別の病院や症例について,当の病院の姿勢や表面化した過誤を告発,追及する形をとることが多かった.この傾向はここ1,2年のあいだに,個々の症例の診療とくに薬物の使い方,看護,精神療法のあり方,そのための教育,実習のあり方というミクロな面の見直しへと深化されつつあり,一方マクロな方向では,不祥事件が発生する背景,それを許す教育や精神医療の社会的システムのあり方の検討へと視野が広がってきている.
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