院内管理のレベル・アップ 薬剤
薬剤管理概論・7
在庫管理(各論2)
著者:
岩崎由雄12
所属機関:
1東京大学
2東京大学病院分院薬剤部
ページ範囲:P.56 - P.57
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前節(36巻7号58頁)で発注量の問題について概論を記したが,発注量,発注点は在庫意思決定が先決で,在庫維持費と品切れ損失のウェイトとバランスをどうするかという一言につきる.結論的に述べると供給(補給—院内)量の確率分布を十分にキャッチし(場合によっては理論的に仮定し),さらに発注期間中における予想(あるいは想定)供給量以上の供給量に対し,十分な安全在庫を保有して,品切れをある程度正確に(統計的確率のもとに)予防することが大切である.このことは今後コンピュータが駆使されるようになれば十分可能である.従来は人間が30年,40年という長い勤務年限により積み上げられた勘と経験という"人間コンピュータ"がやっていたわけである.
前節でもふれたように,品切れ防止のためには,一般に多額の費用が必要とされているが,EconomicOrder Quantity-European Practice(NAA Bulletin, May 1964)によるアントンM・グロート一世らの報告を,参考までに次に引用する.