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文献詳細

雑誌文献

病院36巻3号

1977年03月発行

文献概要

院内管理のレベル・アップ リハビリ リハビリテーション部門の管理・7

地域とのかかわり

著者: 今田拓12

所属機関: 1拓杏園 2宮城県身体障害者更生相談所

ページ範囲:P.54 - P.55

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リハビリの名を借りた収容
 日本の病院はわが国の医療制度の枠の中にあって,閉鎖的にならざるをえない宿命を有している.病院が地域とのかかわりをもつとすれば,一般にはせいぜい外来という不特定の対象しか考えられない.村の役場に住民の健康台帳があって,それがそのまま病院のカルテになっているともいわれる岩手県沢内村の地域保健計画は,まことに理想的な無駄の少ないモデルと思われるが,これが私たちの一般の地域にあてはまるまでには幾多の難しい問題が介在するだろう.
 しかしリハビリテーション(以下リハビリ)というひとつの流れの上から考えると,病院は地域とかかわりあいを持たざるをえないのである.近年病院の中にリハビリ部門が設けられたり,リハビリ専門病院が誕生したり,また社会福祉施設や保険施設の中にリハビリを指向する多種のものが次々と作られている.これらの大部分は患者や対象者を収容してサービスすることが前提となっているため,表向きリハビリという標題はあっても,実際は収容ということが現実の目的となってしまっている場合が多い.長期間の入院をしていた結果,遂にその患者の住所は病院の住所と同じになっている場合は決して少なくないのである.このような場合病院は援護のみを行う社会福祉施設とあまり違わない目的しか果たしていないことになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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