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—福見 秀雄編—「病院内感染その原因と予防」
著者: 実川佐太郎1
所属機関: 1大阪大学
ページ範囲:P.34 - P.34
文献購入ページに移動 化学療法の発展は感染症に対する効果を通じて現代医学に確かに大きく貢献した.従来治療が極めて困難であった感染症患者の多くがその恩恵に浴している.しかし感染症対策が抗生物質にたよりすぎるきらいはないだろうか.化学療法剤の開発が次々と行われても多くの病原微生物が,これらに対して耐性を獲得し,このような耐性菌による感染症が次第に増加している.
病院や診療所を訪れた患者が待合室などで感染症患者と接したために,原疾患に加えてさらに感染症に罹患することは決して好ましいものではない.まして抵抗力の低下した患者が病院環境由来の耐性菌に感染した場合の治療は極めて難しい.いずれにせよ抗生物質療法が始まって30年以上も経過した現在でも,病院内感染は依然として存在し悲劇を招く.
病院や診療所を訪れた患者が待合室などで感染症患者と接したために,原疾患に加えてさらに感染症に罹患することは決して好ましいものではない.まして抵抗力の低下した患者が病院環境由来の耐性菌に感染した場合の治療は極めて難しい.いずれにせよ抗生物質療法が始まって30年以上も経過した現在でも,病院内感染は依然として存在し悲劇を招く.
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