文献詳細
文献概要
院内管理のレベル・アップ 医療社会事業(MSW) 病院におけるMSWの役割・1
医療社会事業(MSW)の理解のために
著者: 田戸静1
所属機関: 1葛飾赤十字産院・医療社会事業部
ページ範囲:P.54 - P.55
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人間は病気になって改めて自分が健康であることの仕合せを,しみじみと思い知らされる.一度病気になると,個人によって多少の違いはあっても,前途への不安と生きる力が挫かれる.その病苦は本人のみならず家族にも影響し,揚句には生活破壊,家庭崩壊ということにもなりかねない.医療の目的と福祉の目的と同じにいえることは,人間が人間らしく生きることへの手助けともいうべきで,個の生命の充実を目指して,人間が自己の生きがいある生活を実現させることにある.それには,常に健康であることが保障されなくてはならない.
現代はルネッサンス以降の人間性の回復と人権尊重の思想が熟し,健康は権利であるという認識を多くの人はもっている.健康であることが権利であるならば,当然健康を損ねた病人が,健康回復のために医療を受ける権利が保障されなければならない.昔は治らなかった病気も,今日では医学の高度の進歩によって生命を延長できるようになった.だがこうした医学,医療技術の高度化,専門分化は,病気とその病苦を訴える人間とは全く無関係なところで生命が追求される傾向が強くあった.
人間は病気になって改めて自分が健康であることの仕合せを,しみじみと思い知らされる.一度病気になると,個人によって多少の違いはあっても,前途への不安と生きる力が挫かれる.その病苦は本人のみならず家族にも影響し,揚句には生活破壊,家庭崩壊ということにもなりかねない.医療の目的と福祉の目的と同じにいえることは,人間が人間らしく生きることへの手助けともいうべきで,個の生命の充実を目指して,人間が自己の生きがいある生活を実現させることにある.それには,常に健康であることが保障されなくてはならない.
現代はルネッサンス以降の人間性の回復と人権尊重の思想が熟し,健康は権利であるという認識を多くの人はもっている.健康であることが権利であるならば,当然健康を損ねた病人が,健康回復のために医療を受ける権利が保障されなければならない.昔は治らなかった病気も,今日では医学の高度の進歩によって生命を延長できるようになった.だがこうした医学,医療技術の高度化,専門分化は,病気とその病苦を訴える人間とは全く無関係なところで生命が追求される傾向が強くあった.
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