icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院37巻1号

1978年01月発行

文献概要

今月の本棚

—蜂矢 英彦著—「精神分裂病の治療と社会復帰」

著者: 岡上和雄1

所属機関: 1国立精神衛生研究所

ページ範囲:P.66 - P.66

文献購入ページに移動
どこまで手を貸せるか
病像の変遷のなかで
 ここ20年来,精神分裂病と呼ばれる病気の様相もずいぶん変った.ひとくちでいえば,軽症化し,健康との間の割れ目が埋まってきた.だが,同じく分裂病と呼ばれながら,その対極には依然として,今の医学を受け付けない人たちもいる.これを戦線にたとえるならば,ちょうど左右にのびきったそれのようで,全体的俯瞰が本当に難しくなった.
 一方の極に立つ人は,精神科医療は総合病院で--これは精神医学誕生以来の悲願ともいえるが--というであろうし,他方をみる人は,分裂病の治療こそ精神病院でなければと主張するであろう.それらは,いずれもそれなりの根拠をもつが,ともに他を否定できるほどの妥当性はもっていない.必要なのはさまざまな手だてである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?