文献詳細
最近の判例からみた医療事故・10
文献概要
判例
婦人が人工妊娠中絶手術を受けたところ,胎児の排出後容態が急変し,その後死亡するに至った事故について,術前の検査,ないし術後の患者監視体制に関して医師の過誤を認めたが,遺体の解剖が遺族(両親)の拒否によって実現せず,したがって右過失と死亡との因果関係を明確にすることができないとしながらも,この間に蓋然性があると認められるときは,患者の期待権を侵害したとして,その慰藉料を請求することができると判断した特異な事例である(福岡地裁昭52・3・29判決,判例時報867号90頁).
婦人が人工妊娠中絶手術を受けたところ,胎児の排出後容態が急変し,その後死亡するに至った事故について,術前の検査,ないし術後の患者監視体制に関して医師の過誤を認めたが,遺体の解剖が遺族(両親)の拒否によって実現せず,したがって右過失と死亡との因果関係を明確にすることができないとしながらも,この間に蓋然性があると認められるときは,患者の期待権を侵害したとして,その慰藉料を請求することができると判断した特異な事例である(福岡地裁昭52・3・29判決,判例時報867号90頁).
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