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—E.H.アッカークネヒト 著 舘野之男 訳—「パリ病院1794-1848」
著者: 上林茂暢1
所属機関: 1柳原病院内科
ページ範囲:P.846 - P.846
文献購入ページに移動今日ごく日常化している近代医学の考え方・技術も,それまで支配的だった中世的医学観に対するたえまない挑戦の蓄積のうえに確立されてきた.ヴェサリウス「人体の構造」(16世紀),ハーヴェイの血液大循環の解明(17世紀),モルガーニの器官病理学(18世紀)などルネッサンス以来の近代医学史の結節点となるいくつかの業績を思い浮かべるだけでもこの点は明らかであろう.
その点では19世紀前半,世界の医学をリードした"パリ学派"の特色は臨床医学を明確に志向した点にあるとされるが,その基盤は病院にあった.本書は,タイトルが示すように,両者の関係を軸に"パリ学派"の業績・変遷があとづけられている.
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