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特集 老人医療の課題—退院後のケア
医療と福祉の接点と矛盾—特別養護老人ホーム,老人病院の実態
著者: 小笠原祐次1
所属機関: 1東京都老人総合研究所・社会学部
ページ範囲:P.110 - P.114
文献購入ページに移動社会と家族の急激な変化の中で,扶養機能が衰えてきている.しかも親族・地域援助網の乏しい独立した家族--それは孤立した家族と言ってもいい家族が増加している.扶養を必要とする老人,とりわけ寝たきり老人を抱えた家族や老齢夫婦,ひとりぐらし老人の場合は,こうした家族,社会状況のもとで,扶養,その最も原初的な扶養としての世話をめぐってさえ,きわめて大きな困難にとりまかれ,老人は生への絶望・死への願いに,家族は疲労,経済的負担,家庭生活の制約等からのあきらめ,家族関係の亀裂へと追いこまれている.
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