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文献概要
特集 老人医療の課題—退院後のケア
老人退院後のケアの現状とあるべき姿
著者: 大友英一1
所属機関: 1浴風会病院
ページ範囲:P.115 - P.117
文献購入ページに移動脳卒中後遺症などある程度以上の運動障害があり,退院後通院の不可能な例では家庭に帰って以後は近隣の医師の診療を受けることになるが,病院におけるごとく随時来診を受けることは必ずしも容易でない例も存在する.自己を弁じ得ない運動障害のある症例では退院後家庭に帰るか,医療設備のある施設に入るかにより,いろいろな差が出てき,前者の場合は問題が少なからず存在する.退院後家庭に帰った場合,家庭にいるという気安さから安易な方向に進み,運動麻痺,筋萎縮などが進行し易くなることは明らかであり,一方自己を弁じ得ない場合,家族の負担は極めて大きいものであり,他の家族の生活は大きく乱される.したがって退院とアフターケアとの間に明確な線を引くことが困難なことが多い.
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