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文献詳細

雑誌文献

病院37巻2号

1978年02月発行

文献概要

院内管理のレベル・アップ 病理 病院病理の課題・8

病理学検査と精度管理

著者: 並木恒夫1

所属機関: 1国立仙台病院・研究検査科

ページ範囲:P.140 - P.141

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 どんな臨床検査でも,主治医が他の医師ないし技師に依頼して行われる場合,検査の精度について,保証がなければならない.これは病理学検査についてもあてはまる.ただ,病理組織検査の場合,精度に相当するものが,「正しい病理学的診断」ということになるが,これをどのようにして決定するかが問題となる.診断方法も,生化学や,形態を除く血液検査のように数字であらわされるものではなく,主観的かつ個人的色彩の強いパターン認識により,比較の困難な病名として表現されるうえ,診断用語の統一も十分ではないので,同一病変が異なった病名で呼ばれたり,逆に異なった病変が同じ病名で呼ばれる場合も少なくない.以上のような点から,他の臨床病理学の領域に広く行われている,品質管理的な方法による精度管理の手法は,病理学の領域には応用しがたく,事実CAP主催のQuality Evalua—tion Programからも病理は除外されている.それでは病理学検査の精度管理はどのようにすればよいか.以下にその考えかたを述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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