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人
卓抜な識見と努力で全社連の代表病院に育成社会保険栗林病院院長 近藤良一氏
著者: 千田通1
所属機関: 1全国社会保険協会連合会
ページ範囲:P.272 - P.272
文献購入ページに移動終戦当時,高松市は戦災のため廃墟と化し医療機関皆無の状態の中で,香川県社会保険協会が栗林診療所を開設されたが,先生は乞われて同教室より外科医長として着任,昭和25年社会保険栗林病院に発展昇格すると同時に初代の院長となられた.当初70床の病院であったが,よい医師によるよい医療,よい看護婦によるやさしい親切な看護,笑顔の絶えぬ各職場,合理的な勤務体制等を目指し寝食を忘れて努力を傾倒し,今日では250床の総合病院として,全社連における代表的な病院に育て上げられた.病室は個室と2人室のみで構成せられ,附添看護なし,室料差額なしで見事な運営をされているが,先生の卓抜な識見と力量に負うものである.断乎として筋を通す厳しさと闘志を秘めておられるが,人に接する態度は誠に物静かで,術後の患者さん,定年職員,若い職員その他各方面への細かい配慮には温情あふれるものがある.昭和52年9月,四国ではじめての日本社会保険医学会(第15回)を学会長として主宰され,見事な成果をあげられたが,先生のお人柄がにじみ出た心に残る学会であった.
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